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国立がん研究センター東病院

最終更新日:2023.06.20

このページでは、国立がん研究センター東病院についての情報をまとめています。

目次

国立がん研究センター東病院なら、希少がんも対応可能

国立がん研究センター東病院HPの外観
引用元:国立がん研究センター東病院HP公式HP
(https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/orthopedic_surgery/index.html)

1962年の設立以来、日本を支えるがん医療の拠点であり続けてきた国立がん研究センター。「東病院」は1992年に新しいがん専門病院として、千葉県柏市に新設されました。

「こころとからだにやさしいがん治療の実現」をモットーに、抗がん剤の開発技術と治療において高い実績があります。外科領域でも高難度の低侵襲手術や治療、放射線に関しても日本で早期に陽子線治療施設を導入した病院です。

2011年、国から早期・探索的臨床試験拠点に選定。2012年より早期・探索臨床研究センター(EPOC)の一員として、国内外の有望な治療薬の開発から承認までを行い、日本の新薬開発にも携わっています。

2014年からは、サポーティブケアセンターも開かれ、地域連携のもとでがんと診断されてから終末期まで切れ目のないサポートを提供する体制が整いました。

国立がん研究センター東病院の治療

治療の流れ

がん治療は、部位や転移の有無、ステージなどにより治療法は多岐に渡ります。例えば、がんの中でも死亡数が多い肺がんは、非小細胞肺がんであれば国立がん研究センター東病院の陽子線治療が受けられます。

陽子線治療は先進医療として認定されている治療法で、放射線と異なり止まる深さをエネルギー量によってコントロールできるため、がんの病巣に集中させて放射線を照射。がん細胞に着実にダメージを与えることができます。

非小細胞肺がんの陽子線治療では、まず治療中に体が動かないように固定する器具を作ります。続いてCT検査結果をもとに、ドクターや放射線技師などにより治療計画を綿密に立て、治療をスタートすることとなります。また、陽子線治療では患者さん一人ひとりに合わせたボーラス・コリメータという特殊な専用器具を作成するため、治療開始までには器具作成のための日数がかかります。

国立がん研究センター東病院では治療スケジュールを原則として1日1回、週3回から5回行い、合計4回から40回程度繰り返して完了します。腫瘍が発生している部位や種類、がんの進行度によっても違いますが、1回の治療時間はおよそ15分~30分です。

なお、陽子線治療は非小細胞肺がん以外にも、原発性脳腫瘍や食道がん、肝臓がん、前立腺がん、小児がんなども適応となっています。

先端医療科

早期開発治験、特に第1相の臨床試験を中心とする治験や、臨床研究を実施している診療科です。

腫瘍内科を中心に科を横断するチームを組み、情報交換を行いながら治療を提供しています。従来の治験イメージと異なり、新たな分子標的治療薬や従来の抗がん剤だけでなく、がんゲノム医療の推進はもとより、最近では、新たな抗体療法(抗体薬物複合体など)や免疫療法の開発を開発も行っています。さらに、従来の抗体を用いた免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤など)だけでなく、ウィルスやゲノム改変技術を利用した細胞療法(CAR-T療法)や光免疫療法など新しい医療技術を応用した開発にも力を入れています。

放射線治療科

放射線を利用した治療は、悪性腫瘍に対する根幹となる治療のひとつです。

放射線治療科では院内全ての科を受診する患者さんを対象に、疾患の種類や状態に応じて様々な放射線治療を提供しています。放射線治療医がひとりの患者さんにかかわる、他の外科医や内科医をはじめとした医療チームを組み、綿密な連携のなかで計画から治療までが進められていきます。特に、臓器や機能の温存を目指した、放射線治療と化学療法を併用した治療法を、患者さんの状態に応じて積極的に取り入れています。

食道外科

国立がん研究センター 東病院の食道外科は、食道がんなどの治療を専門に行う診療部門です。食道がんの進行度合いなどに応じて、消化管内科や、放射線治療科、放射線診断科などと連携した取り組みができるため、食道がんに関する治療はもちろんのこと、他部位への転移が起きた場合にも、迅速に治療方針を設定し、治療を進めていきます。

食道外科の手術症例としては、2022年だけで約203例。胸腔鏡や腹腔鏡を用い、開胸手術をしなくても、より患者さんへの負担を軽減して腫瘍を切除することのできる食道切除術も、2007年から取り組んでいます。2019年よりロボット支援食道切除術を開始。2023年3月の時点で100例以上が実施されています。こうした低侵襲性外科治療(身体への負担が少ない外科治療)に対して、積極的なのも、国立がん研究センター 東病院 食道外科の特徴の一つです。

術前に、再発リスク軽減のため補助療法として化学治療を行う治療方法もあります。これによりがんが縮小し胸腔鏡や腹腔鏡の手術が可能になることもあります。小さな傷で済むので、術後の早期回復を望む方や、手術による体力低下が心配な方にとっては嬉しい方針と言えるでしょう。

ロボット支援食道がん手術も始まっています。胸腔鏡よりも小さい穴と少ない穴の数で、侵襲はさらに軽減されます。手術後の肺炎予防のために、手術前に歯科受診を治療計画に取り入れているなど、手術だけでなく手術後も考慮した治療計画が立てられているようです。

血液腫瘍科

日本血液学会血液専門医・指導医や、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医が在籍し、化学療法や造血幹細胞移植療法に積極的に取り組んでいる血液腫瘍科。

2021年には、初診患者数が年間243人と実績も豊富です。造血幹細胞移植を行うための、クリーンルームも8床用意されているなど、診療設備も充実している点はさすが。

対象となる患者さんは、16歳以上の急性慢性白血病の方、骨髄異形性症候群の方、悪性リンパ腫の方、多発性骨髄腫の方などです。

また、血液腫瘍科では、従来のがん治療に加え、新たな抗がん剤の臨床試験を実施や、細胞・免疫療法の開発にも積極的に取り組んでいます。

日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)や日本成人白血病研究グループ(JALSG)にも所属していますから、新しいがん治療を受けたいという方は、一度相談してみてもいいでしょう。
個別化医療を実現するために、国立がん研究センターが全国の医療機関と協力して実施する、がん患者の遺伝子スクリーニング事業である HM-SCREEN-Japanプロジェクト(HMS)も展開され、遺伝子治療もますます進んでいきそうです。

日本血液学会血液専門医・指導医の資格を持つ科長の南ドクターをはじめとし、先端医療開発センターにも籍を置き、日本造血・免疫細胞療法学会 認定医湯田ドクターも在籍。他にも日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医や日本がん治療認定医機構がん治療認定医などの医師が多数在籍し、先進医療を担っています。

精神腫瘍科

精神腫瘍科とは、がん治療において、患者さんやご家族の心のケアをするために生まれた診療科です。

国立がん研究センター 東病院では、心療内科医や精神科医、心理士などのスタッフメンバーも加えながら、がん患者さんの心のケアに取り組んでいます。2022年度には、精神腫瘍科を訪れた外来新規患者数は715人。精神腫瘍科の介入が年間1900例にものぼりました。患者さんはもちろんのこと、家族外来の設置していることからご家族の方も多く相談に訪れています。

がんと告知されてからは、不安やストレスで不眠など心の不調によるトラブルが生じることも少なくありません。そんなときに、専門家の立場から、どうやって体調と心の変化に付き合っていくのかをアドバイスするのも精神腫瘍科の役割の一つ。また、必要に応じて心をメンテナンスするための薬の処方やカウンセリングなども受けられますので、がん患者さんにとってはとても頼れる存在となるでしょう。東病院に入院している場合には、担当医や担当看護師に相談すれば、精神腫瘍科の支持療法チームが、ベッドサイドまで足を運び、相談にも応じてくれます。東病院でがんの治療を受けていない方の受診も可能です。

東病院には「サポーティブケアセンター」も設置されていて、がんという病気にまつわる体のこと、生活のこと、入院のことなど様々な困りごとに対しては、ソーシャルワーカーや看護師、緩和医療科医などが サポートする体制整っています。「LIFE支援センター」では適切な医療サポートが受けられるような支援がなされています。

国立がん研究センター東病院の治療実績

2022年度の治療件数

参照元:国立がん研究センター東病院公式HP※2022年度の手術・化学療法・放射線治療・放射線画像検査件数等(https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/about/achievement/index.html

予約方法

国立がん研究センター東病院では、初めての受診には初診予約が必要です。また、再診時にも予約が必要です。

初診の場合、原則医師の紹介状が必要ですので、かかりつけ医に紹介状を書いてもらった上で、電話で初診予約をしましょう。紹介状がない場合には、初診料に加えて「初診時特定療養費」が約5,000円かかります。紹介状がない場合は、受診を断られたり検査に時間を要したりする可能性があるので、ぜひ紹介状を書いてもらうことをお勧めします。

また、予約をしないで外来に来院した場合、診察が受けられないということはありませんが、混雑していればその日に診察が受けられないケースもあります。

受付時間は、午前8時30分~11時。予約を取る際には、診察を受けたい日の3日~1週間前までには予約を取るようにしましょう。国立がん研究センター東病院のウェブサイトには初診の予約待ち時間の参考が掲載されています。例えば食道がんの診察をしてもらえる食道外科は待ち時間が「3日以内」。泌尿器科では「1週間程度」。血液腫瘍科は「2週間程度」と科によっても大きな差があります。

国立がん研究センター東病院の設備

手術室を12室、内視鏡センターは16室(2023年5月調査時点*1)と手術設備の充実した国立がん研究センター東病院。医師主導の治験数の数が豊富で、臨床研究の中核病院として様々な設備を備えています。また、国内で早期に陽子線加速器(サイクトロン)1台と2室の回転ガントリー照射室からなる陽子線治療施設を導入(2023年5月調査時点*2)。強度の強い陽子線を様々な角度から照射できる設備は短時間治療が可能で、がん治療の負担を軽減することができます。

先進医療技術の指定医療機関として「陽子線治療」「シスプラチン静脈内投与及び強度変調陽子線治療の併用療法 」「周術期デュルバルマブ静脈内投与療法 」などの先進医療も実施しています。いずれも確かな設備がないとできない医療ですから、こうした事例を見ても、国立がん研究センター東病院の設備の充実さがうかがえるのではないでしょうか。

また、敷地内にはNEXT医療機器開発センターを開設し、産学官・医工連携のもと、臨床現場で必要とされている革新的医療機器の開発も行っています。

このように、国立がん研究センター東病院では放射線治療に関しても先進の設備を整えているため、がんの先進医療や治験を受けたい方にとっては受診する価値は大きい病院です。

国立がん研究センター東病院の院長情報

大津敦病院長
引用元HP:国立がん研究センター東病院公式HP
https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/about/greeting/index.html

「世界中のよりよい医療をいち早く患者さんへ届ける」をモットーに、国立がん研究センター東病院の全スタッフを率いる大津敦医師。消化器内科を専門として診療を行う一方で、病院全体として一人ひとりの患者に適した治療を提供するため、多くの専門スタッフによるチーム医療に力を入れています。

診療科の垣根を超えた横断的な治療はもちろんのこと、ソーシャルワーカーや社労士などもチームに交え、患者の生活全般のサポートも実施。病院は病気・ケガを治療する場所という固定観念を超越し、患者の人生をトータルで支える場所へと進化させています。

経歴

日本臨床腫瘍学会理事(兼 国際委員会委員長)、日本癌学会理事

国立がん研究センター東病院の基本情報

施設名 国立がん研究センター東病院
診療科目 頭頸部外科/頭頸部内科/形成外科/乳腺外科/腫瘍内科/呼吸器外科/呼吸器内科/食道外科/胃外科/大腸外科/消化管内科/消化管内視鏡科/肝胆膵外科/肝胆膵内科/泌尿器・後腹膜腫瘍科/婦人科/骨軟部腫瘍・リハビリテーション科/血液腫瘍科/小児腫瘍科/総合内科/歯科/麻酔科/集中治療科/緩和医療科/精神腫瘍科/放射線診断科/放射線治療科/病理・臨床検査科/先端医療科/脳神経外科/皮膚腫瘍科/眼科/循環器科/感染症科
電話 04-7134-6932(がん相談支援センター)
所在地 千葉県柏市柏の葉6-5-1
最寄駅:柏の葉キャンパス駅
駐車場 有り

診療時間

時間
9:00~
17:30
(予約制)
がんステージ4の治療ができる
医療機関 3院

当サイトでは、保険診療で受ける「抗がん剤治療」と、自由診療で受ける「トモセラピー」や「樹状細胞ワクチン療法」でステージ4のがんを治療する方法について紹介しています。がんの進行度により、医師と相談して検討しましょう。

自由診療|放射線療法
トモセラピー
再発・多発転移がんを治療
クリニックC4
クリニックC4<トモセラピー>

画像引用元:クリニックC4公式HP
(https://cccc-sc.jp/)

痛み・副作用の少ない放射線療法
放射線治療のトモセラピーに特化したクリニックで、重粒子線、陽子線などの先進医療での治療を断られた方にも、ステージ4で「手立てがない」と言われた方にも、身体に優しいがん治療をお探しの方にも、痛み・副作用の少ない治療を行います。薬剤との併用により、より積極的な治療を行うことも可能です。

  • 症例のある対象疾患
前立腺がん 頭頸部がん 肺がん 乳がん 胃がん 小腸がん 肝胆膵がん 大腸がん 直腸がん 泌尿器がん 卵巣がん 子宮がん 肝臓がん 膀胱がん 膵臓がん 膵体部がんなど
所在地 東京都渋谷区元代々木町33-12
電話番号 03-6407-9407
自由診療|免疫療法
樹状細胞
ワクチン療法
体の免疫力に働きかけて治療
銀座鳳凰クリニック
銀座鳳凰クリニック<樹状細胞ワクチン療法>

画像引用元:銀座鳳凰クリニック公式HP
(https://www.ginzaphoenix.com/)

患者の細胞からワクチンを作製
免疫細胞を研究している院長のもと、免疫の司令塔である樹状細胞を使ってがん免疫療法を行っているクリニックです。患者様専用のワクチンを作るイメージで、治療の手立てがないと言われた患者様へも提供可能な治療法です。しっかりと寄り添って治療を進めていく姿勢も、治療を選択する要因になっているようです。

  • 症例のある対象疾患
前立腺がん 頭頸部がん 肺がん 乳がん 胃がん 小腸がん 肝胆膵がん 大腸がん 直腸がん 泌尿器がん 卵巣がん 子宮がん 肝臓がん 膀胱がん 膵臓がん 膵体部がんなど
所在地 東京都千代田区外神田4-14-1
秋葉原UDXビル北ウィング6F
電話番号 03-6263-8163
保険診療|外来化学療法
抗がん剤治療
再発や転移を抑制
がん研有明病院
がん研有明病院

画像引用元:がん研有明病院公式HP
(https://www.jfcr.or.jp/hospital/)

新しいがん治療薬の導入に積極的
抗がん剤による薬物療法が進む中、「先端医療開発科」が創設され、新しいがん治療薬での治療をいち早く受けられるよう、早期臨床開発を推進している病院です。幅広い知識と経験を持つ専任医師とスタッフが、それぞれの患者様に合った臨床試験を提案し、これまでの薬では治らなかったがんの治療に取り組んでいます。

  • 症例のある対象疾患
前立腺がん 頭頸部がん 肺がん 乳がん 胃がん 小腸がん 肝胆膵がん 大腸がん 直腸がん 泌尿器がん 卵巣がん 子宮がん 肝臓がん 膀胱がん 膵臓がん 膵体部がんなど
所在地 東京都江東区有明3-8-31
電話番号 03-3520-0111(大代表)

【選定基準】
「末期がん クリニック」でGoogle検索してヒットした医療機関上位35院中、治療実績と画像付き症例を公式HPに掲載しており、以下の各治療法におけるGoogleの口コミ評価がそれぞれ最も良い3院を抽出しています(2023年5月15日調査時点)。
①放射線療法「トモセラピー」の治療実績と症例・・・クリニックC4
②免疫療法「樹状細胞ワクチン投与」の治療実績と症例・・・銀座鳳凰クリニック
③外来化学療法「抗がん剤治療」の治療実績と症例・・・がん研有明病院

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