ここでは、主に非小細胞肺がんの治療薬として使われるイレッサについて、その働きや特徴、服用方法、注意点、副作用などについて説明します。
イレッサは、非小細胞肺がんに対して腫瘍を小さくしたり進行を抑えたりする効果が期待される薬ですが、その効果や副作用には個人差があります。薬の特徴をよく理解し、医師の指示に従って正しく服用することが大切です。
イレッサは、主に「非小細胞肺がん(NSCLC)」の治療に使われ、腫瘍の縮小、病気の進行の抑制、延命、症状の緩和といった効果が期待されます。
ただし、患者のがんの性質や体の状態によって効果の程度や副作用の出方には違いがあります。イレッサは、がん治療以外の目的で使われることはほとんどありません。
また、イレッサは第1世代のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)として、特にEGFR遺伝子に変異がある患者で効果が確認されています。
ただし、2024年の時点では、第3世代のEGFR-TKIである「オシメルチニブ(タグリッソ)」が標準治療の中心になってきており、脳転移への効果や耐性変異(T790M)にも対応できる点でより高い評価を受けています。
イレッサの主な成分は「ゲフィチニブ」で、EGFRというがん細胞の増殖に関わるたんぱく質の働きを抑えることで治療効果を発揮します。
通常、成人に対して1日1回、ゲフィチニブ250mgを含む錠剤を水などで飲みます。
日本人の高齢者においては、食後に服用した方がよいとする報告もありますが、個々の体調や他の薬との兼ね合いも考慮する必要があります。
イレッサを服用すると、まれに肺に炎症が起きることがあり、間質性肺疾患や急性肺障害などが疑われる場合には、胸部X線などによる定期的な検査が重要です。
また、肝臓の働きに影響を与えることもあり、ASTやALTといった肝機能を示す数値が上がることがあります。そのため、1~2ヶ月に1回程度の肝機能検査が勧められます。
皮膚に湿疹やかゆみなどが出ることがあり、症状が強いときには薬を休んだり、必要に応じた治療が行われます。
全身の力が出ない「無力症」と呼ばれる症状があらわれることもあり、車の運転や機械の操作などには注意が必要です。
過去に肺に関する病気があった方、体力が極端に落ちている方、胃酸が極端に少ない方、肝機能に問題のある方などが含まれます。また、生殖年齢にある方、妊娠中または妊娠の可能性がある女性、授乳中の方、子どもや高齢の方についても注意が必要です。
妊娠の可能性がある女性には、服用中と服用後しばらくの間、確実な避妊を行うよう指導されます。妊娠中に服用した場合、胎児への影響が心配されるため、治療による利益がリスクを上回ると判断される場合にのみ使用されます。
イレッサは他の薬や食品と一緒に摂ると、効果や体への影響が変わることがあります。たとえば、フェニトインやセイヨウオトギリソウのような成分を含む薬と一緒に飲むと、イレッサの成分が早く分解され、効き目が弱まる可能性があります。
反対に、アゾール系抗真菌薬などと一緒に飲むと、イレッサの成分が体内に長く残り、思わぬ副作用が出ることもあります。グレープフルーツジュースも同様の作用があります。
さらに、胃薬のうちプロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬を併用すると、イレッサの吸収が悪くなり、効果が下がる可能性があるため注意が必要です。
イレッサの服用により、まれに以下に挙げるような深刻な症状が出ることがあります。このような症状が現れた場合には、すぐに薬の服用を中止し、医師の診察を受ける必要があります。
例として、肺の病気(間質性肺炎、急性肺障害など)は1~10%未満の割合で見られ、ステロイド治療などが必要となる場合もあります。重い下痢や脱水、肝炎や肝不全なども報告されており、定期的な検査が推奨されます。
そのほかにも、急性膵炎、皮膚がただれるような重い皮膚障害、消化管の潰瘍や出血など、さまざまな症状が報告されています。
比較的よく見られる副作用としては、発疹やかゆみ、肌の乾燥やひび割れ、にきびのような皮膚の症状、下痢、そして肝機能の異常(ASTやALTの上昇など)があります。これらの症状についても、不安なことがあれば早めに医師に相談してください。
当サイトでは、保険診療で受ける「抗がん剤治療」と、自由診療で受ける「トモセラピー」や「樹状細胞ワクチン療法」でステージ4のがんを治療する方法について紹介しています。がんの進行度により、医師と相談して検討しましょう。
画像引用元:クリニックC4公式HP
(https://cccc-sc.jp/)
痛み・副作用の少ない放射線療法
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所在地 | 東京都渋谷区元代々木町33-12 |
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電話番号 | 03-6407-9407 |
画像引用元:銀座鳳凰クリニック公式HP
(https://www.ginzaphoenix.com/)
患者の細胞からワクチンを作製
免疫細胞を研究している院長のもと、免疫の司令塔である樹状細胞を使ってがん免疫療法を行っているクリニックです。患者様専用のワクチンを作るイメージで、治療の手立てがないと言われた患者様へも提供可能な治療法です。しっかりと寄り添って治療を進めていく姿勢も、治療を選択する要因になっているようです。
所在地 | 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDXビル北ウィング6F |
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電話番号 | 03-6263-8163 |
画像引用元:がん研有明病院公式HP
(https://www.jfcr.or.jp/hospital/)
新しいがん治療薬の導入に積極的
抗がん剤による薬物療法が進む中、「先端医療開発科」が創設され、新しいがん治療薬での治療をいち早く受けられるよう、早期臨床開発を推進している病院です。幅広い知識と経験を持つ専任医師とスタッフが、それぞれの患者様に合った臨床試験を提案し、これまでの薬では治らなかったがんの治療に取り組んでいます。
所在地 | 東京都江東区有明3-8-31 |
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電話番号 | 03-3520-0111(大代表) |