ここでは、「切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺がん」に適応する抗がん薬ポートラーザ(一般名:ネシツムマブ)の特徴や使い方、注意点、副作用についてわかりやすく解説します。
ポートラーザについて正しい情報を理解し、主治医と一緒に治療方針を考えることが大切です。
ポートラーザは、がん細胞の増殖に関わる「EGFR(上皮成長因子受容体)」というたんぱく質に結合して働く薬で、抗体医薬の一種です。2025年時点では、手術で取り除けない進行がんや、治療後に再び現れた扁平上皮型の非小細胞肺がんに対して、特定の化学療法と組み合わせて使われることがあります。ただし、腺がんなどの非扁平型には使用できません。
ポートラーザ点滴静注液800mgの有効成分は「ネシツムマブ(遺伝子組換えヒト型モノクローナル抗体)」です。この抗体は人工的に作られ、がん細胞に特異的に作用することが特徴です。
この薬は、ゲムシタビンとシスプラチンという抗がん剤と併用して使用されます。
通常、成人に対してネシツムマブ800mgを1時間ほどかけて点滴静脈注射します。1週間に1回の投与を2週続けたあと、3週目を休薬期間とし、これを1サイクルとして繰り返します。体の状態によっては、投与量を調整する場合もあります。
ポートラーザの使用にあたっては、以下の点に注意が必要です。
妊娠中や妊娠の可能性がある女性に対しては、治療の利益が胎児へのリスクを上回る場合に限って使用されます。また、妊娠を希望する女性には、治療中および終了後しばらくは適切な避妊が必要です。
ポートラーザが母乳に移行するかは明らかではないものの、治療の内容と授乳の重要性を踏まえ、授乳を続けるか中止するかを判断する必要があります。
子どもへの安全性は確立しておらず、使用は推奨されていません。
過去に血栓ができたことがある方や、心臓・脳の血管に病気があった方は特に注意が必要です。血のかたまりが再びできるおそれがあります。また、間質性肺疾患のある方では、症状が悪化することがあるため慎重に経過を見る必要があります。
この薬を使うことで血液中のマグネシウムが少なくなることがあります。治療を始める前から治療中、そして終了後にかけて、マグネシウムやカルシウム、カリウム、リンなどの電解質をこまめに確認することが大切です。
脳梗塞や心筋梗塞といった動脈の血栓や、肺塞栓症、脚の深部静脈にできる血栓などが報告されています。
薬の点滴中に、アレルギーのような反応(輸注反応)が起こることがあります。症状としてはアナフィラキシー、寒気、顔の赤み、血圧低下、息苦しさ、気管支けいれんなどが報告されています。これらは2回目以降の投与でも起こる可能性があるため、治療中は体調の変化に注意が必要です。
だるさや筋肉のけいれん、手の震え(振戦)などの症状が出ることがあります。この場合はマグネシウムの補充が行われることもあります。
肺が炎症を起こす間質性肺疾患がまれにみられます。呼吸の異常などがあれば、すぐに医師に相談し、必要に応じて治療を中止します。
ほかにも、皮膚の重いトラブル(8.3%)、ひどい下痢(1.1%)、出血(5.1%)、血を含んだ痰(1.0%)なども確認されています。まれに、目や消化器、神経、投与部位などに副作用が出ることもあります。気になる症状があれば、主治医に早めに相談することが大切です。
2025年現在、非小細胞肺がんの治療では、免疫チェックポイント阻害薬(ペムブロリズマブやニボルマブなど)が広く使われています。特に、PD-L1というたんぱく質の発現が高い患者では、免疫療法単独での治療が選ばれることもあります。
扁平上皮がんでも、免疫療法と化学療法の併用が第一選択になるケースが増えています。そのため、EGFRを標的とするネシツムマブのような治療は、やや限られた症例での使用となる傾向があります。
当サイトでは、保険診療で受ける「抗がん剤治療」と、自由診療で受ける「トモセラピー」や「樹状細胞ワクチン療法」でステージ4のがんを治療する方法について紹介しています。がんの進行度により、医師と相談して検討しましょう。
画像引用元:クリニックC4公式HP
(https://cccc-sc.jp/)
痛み・副作用の少ない放射線療法
放射線治療のトモセラピーに特化したクリニックで、重粒子線、陽子線などの先進医療での治療を断られた方にも、ステージ4で「手立てがない」と言われた方にも、身体に優しいがん治療をお探しの方にも、痛み・副作用の少ない治療を行います。薬剤との併用により、より積極的な治療を行うことも可能です。
所在地 | 東京都渋谷区元代々木町33-12 |
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電話番号 | 03-6407-9407 |
画像引用元:銀座鳳凰クリニック公式HP
(https://www.ginzaphoenix.com/)
患者の細胞からワクチンを作製
免疫細胞を研究している院長のもと、免疫の司令塔である樹状細胞を使ってがん免疫療法を行っているクリニックです。患者様専用のワクチンを作るイメージで、治療の手立てがないと言われた患者様へも提供可能な治療法です。しっかりと寄り添って治療を進めていく姿勢も、治療を選択する要因になっているようです。
所在地 | 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDXビル北ウィング6F |
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電話番号 | 03-6263-8163 |
画像引用元:がん研有明病院公式HP
(https://www.jfcr.or.jp/hospital/)
新しいがん治療薬の導入に積極的
抗がん剤による薬物療法が進む中、「先端医療開発科」が創設され、新しいがん治療薬での治療をいち早く受けられるよう、早期臨床開発を推進している病院です。幅広い知識と経験を持つ専任医師とスタッフが、それぞれの患者様に合った臨床試験を提案し、これまでの薬では治らなかったがんの治療に取り組んでいます。
所在地 | 東京都江東区有明3-8-31 |
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電話番号 | 03-3520-0111(大代表) |