膵臓がんは、胃の後ろ側にある膵臓に発生するがんです。初期には自覚症状が出にくいことがあり、見つかった時点で進行している場合もあります。
膵臓がんの治療には、手術、薬物療法、放射線治療、緩和ケアなどがあります。どの治療を選ぶかは、がんが切除できるかどうか、転移の有無、全身状態、治療歴、遺伝子変異の有無などを踏まえて検討されます。
このページでは、膵臓がんの症状、検査方法、治療方針を決めるポイント、手術できる場合・手術が難しい場合の治療、転移がある場合の治療について解説します。
※2025年4月時点の情報をもとに作成しています。治療法や薬剤の適応は更新される場合があるため、最新情報は医療機関や主治医に確認してください。
膵臓は、胃の後ろ側にある細長い臓器です。食べ物の消化を助ける膵液をつくる働きと、血糖値を調整するホルモンを分泌する働きがあります。
一般的に「膵臓がん」と呼ばれるものの多くは、膵液が通る膵管の細胞から発生する膵管がんです。膵臓には、膵神経内分泌腫瘍、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、粘液性嚢胞性腫瘍(MCN)など、別の性質を持つ腫瘍が見つかることもあります。
膵臓は体の深い場所にあるため、初期には症状が出にくく、発見が難しいことがあります。腹痛、背中の痛み、黄疸、体重減少、糖尿病の悪化などをきっかけに検査が行われる場合があります。
膵臓がんは、初期には自覚症状が乏しいことがあります。進行すると、がんの場所や胆管・膵管への影響によって、次のような症状が見られることがあります。
これらの症状は膵臓がん以外の病気でも見られます。症状だけで判断せず、気になる変化が続く場合は医療機関で相談しましょう。
膵臓がんの発症には、喫煙、糖尿病、慢性膵炎、肥満、飲酒、家族歴などが関係するとされています。ただし、リスク要因があるからといって必ず膵臓がんになるわけではありません。
糖尿病が急に悪化した場合や、膵嚢胞性病変を指摘されている場合は、医師の指示に従って検査や経過観察を受けることが大切です。
膵臓がんが疑われる場合は、血液検査、腫瘍マーカー検査、腹部超音波検査、CT検査、MRI・MRCP、超音波内視鏡検査(EUS)などを組み合わせて調べます。がんの有無だけでなく、切除できるかどうかや転移の有無を確認することも重要です。
血液検査では、肝胆道系酵素、膵酵素、血糖値などを確認します。腫瘍マーカーとしてCA19-9やCEAなどが参考にされることがあります。
ただし、腫瘍マーカーだけで膵臓がんを診断することはできません。胆道の炎症や黄疸などでも数値が変動することがあるため、画像検査と組み合わせて判断します。
腹部超音波検査は、体の表面から膵臓や胆管、肝臓などの状態を確認する検査です。比較的負担が少ない検査ですが、体格や腸管ガスの影響で膵臓が見えにくいことがあります。
CT検査では、腫瘍の位置や大きさ、周囲の血管への広がり、肝臓やリンパ節への転移の有無などを確認します。造影剤を用いたCT検査が行われることもあります。
MRI検査では、膵臓や周囲の臓器の状態を詳しく確認します。MRCPは胆管や膵管の状態を画像で確認する検査で、膵管や胆管の狭窄・拡張を調べる際に用いられます。
超音波内視鏡検査(EUS)は、内視鏡の先端についた超音波装置で、胃や十二指腸の近くから膵臓を詳しく観察する検査です。必要に応じて、EUS-FNAにより細胞や組織を採取し、病理検査を行うことがあります。
ERCPは、内視鏡を使って胆管や膵管を調べる検査です。必要に応じて細胞を採取したり、胆管が詰まって黄疸が出ている場合に胆汁の流れを改善する処置が行われることもあります。ただし、体への負担があるため、適応は慎重に判断されます。
膵臓がんの治療方針は、がんを手術で切除できるかどうかを大きな基準として検討されます。膵臓の近くには重要な血管が多く、血管への広がりや遠隔転移の有無によって治療方針が変わります。
治療方針を決める際には、主に以下の点を確認します。
同じ膵臓がんでも、切除可能、切除可能境界、局所進行切除不能、遠隔転移ありなどの状態によって治療の進め方が異なります。
膵臓がんの治療には、手術、薬物療法、放射線治療、緩和ケアなどがあります。がんの状態によって、単独で行う場合もあれば、複数の治療を組み合わせる場合もあります。
| 治療法 | 主な特徴 |
|---|---|
| 手術 | がんを切除できると判断された場合に検討される治療 |
| 薬物療法 | 抗がん薬などを用いて、全身のがんに働きかける治療 |
| 放射線治療 | 局所の病変や症状の原因となる病巣に放射線を照射する治療 |
| 緩和ケア | 痛み、黄疸、食欲不振、不安など、心身のつらさを和らげる支援 |
膵臓がんで手術が検討されるのは、遠隔転移がなく、周囲の重要な血管への広がりなどを踏まえて切除できると判断された場合です。
がんの場所によって、膵頭十二指腸切除術、膵体尾部切除術、膵全摘術などの方法が検討されます。手術の前後に薬物療法を組み合わせることもあります。
手術後は、膵液漏、感染、血糖コントロールの変化、消化吸収への影響などが起こる場合があります。治療前に、手術の目的やリスク、術後の生活への影響を確認しましょう。
膵臓がんが周囲の重要な血管に広がっている場合や、肝臓、腹膜、肺などに転移している場合には、手術が難しいと判断されることがあります。その場合は、薬物療法を中心に治療方針が検討されます。
治療の目的は、がんの進行を抑えること、症状を和らげること、生活の質を保つことなど、患者さんの病状によって異なります。
治療の効果によっては、当初は手術が難しいと判断された場合でも、改めて切除が検討されることがあります。ただし、対象となる条件は限られるため、主治医と慎重に相談する必要があります。
膵臓がんの薬物療法では、抗がん薬を組み合わせた治療が行われることがあります。使用する薬剤は、がんの状態、全身状態、年齢、臓器機能、副作用のリスクなどを踏まえて検討されます。
代表的な薬物療法として、複数の抗がん薬を組み合わせる治療や、ゲムシタビンを含む治療などがあります。治療内容は患者さんごとに異なるため、薬の種類、期待される目的、副作用を医師に確認しましょう。
一部の膵臓がんでは、BRCA遺伝子変異やMSI-Highなどのバイオマーカーを確認することで、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が検討される場合があります。がん遺伝子パネル検査などの対象になるかどうかは、病状や治療歴によって異なります。
放射線治療は、膵臓周辺の病変や、痛みなどの症状の原因となる病巣に対して検討されることがあります。薬物療法と組み合わせて行われる場合もあります。
局所進行の膵臓がんでは、がんの広がりや全身状態を踏まえて、放射線治療が治療選択肢に含まれることがあります。また、骨転移などによる痛みを和らげる目的で照射が検討される場合もあります。
副作用は照射する範囲によって異なり、吐き気、食欲低下、だるさ、胃腸症状、皮膚症状などが起こることがあります。
膵臓がんは、進行すると肝臓、腹膜、肺、リンパ節、骨などに転移することがあります。転移の有無は、CT検査、MRI検査、PET-CT検査、腹腔鏡検査などを組み合わせて確認される場合があります。
肝臓に転移した場合、腹部の張り、黄疸、食欲低下、体重減少などが見られることがあります。腹膜に広がると、腹水や腹部膨満感が問題になることがあります。
肺に転移した場合には、咳や息切れなどが見られることがあります。骨に転移した場合には、背中や腰、足の痛み、しびれ、骨折のリスクが問題になることがあります。
転移による症状は、転移先や病巣の場所によって異なります。痛み、黄疸、食欲低下、体重減少などがある場合は、早めに医療者へ相談しましょう。
膵臓がんの治療は、切除できるかどうか、転移の有無、全身状態、治療歴などを踏まえて検討されます。手術が難しい場合でも、薬物療法、放射線治療、緩和ケアなどを含めて相談できる場合があります。
進行・転移がある場合や、現在の治療方針に迷いがある場合は、検査結果、画像データ、病理検査の結果、これまでの治療歴を整理したうえで、相談できる医療機関を確認してみましょう。
膵臓がんの治療には、手術、薬物療法、放射線治療、緩和ケアなどがあります。治療方針は、がんが切除できるかどうか、血管への広がり、転移の有無、全身状態などを踏まえて検討されます。
手術が可能な場合は、手術と薬物療法などを組み合わせて治療を進めることがあります。手術が難しい場合や転移がある場合には、薬物療法を中心に、放射線治療や緩和ケアを含めて治療目的を確認します。
膵臓がんは治療方針の判断が複雑になりやすいため、主治医に現在の状態と治療目的を確認し、必要に応じて専門医療機関への相談も検討しましょう。
当サイトでは、保険診療で受ける「抗がん剤治療」と、自由診療で受ける「トモセラピー」や「樹状細胞ワクチン療法」でステージ4のがんを治療する方法について紹介しています。がんの進行度により、医師と相談して検討しましょう。
画像引用元:クリニックC4公式HP
(https://cccc-sc.jp/)
痛み・副作用の少ない放射線療法
放射線治療のトモセラピーに特化したクリニックで、重粒子線、陽子線などの先進医療での治療を断られた方にも、ステージ4で「手立てがない」と言われた方にも、身体に優しいがん治療をお探しの方にも、痛み・副作用の少ない治療を行います。薬剤との併用により、より積極的な治療を行うことも可能です。
| 所在地 | 東京都渋谷区元代々木町33-12 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6407-9407 |
画像引用元:Ginza Phoenix Clinic公式HP
(https://gpc.clinic/)
患者の細胞からワクチンを作製
免疫細胞を研究している院長のもと、免疫の司令塔である樹状細胞を使ってがん免疫療法を行っているクリニックです。患者様専用のワクチンを作るイメージで、治療の手立てがないと言われた患者様へも提供可能な治療法です。しっかりと寄り添って治療を進めていく姿勢も、治療を選択する要因になっているようです。
| 所在地 | 東京都中央区京橋2-4-12 第一生命京橋キノテラス3F |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6263-8163 |
画像引用元:がん研有明病院公式HP
(https://www.jfcr.or.jp/hospital/)
新しいがん治療薬の導入に積極的
抗がん剤による薬物療法が進む中、「先端医療開発科」が創設され、新しいがん治療薬での治療をいち早く受けられるよう、早期臨床開発を推進している病院です。幅広い知識と経験を持つ専任医師とスタッフが、それぞれの患者様に合った臨床試験を提案し、これまでの薬では治らなかったがんの治療に取り組んでいます。
| 所在地 | 東京都江東区有明3-8-31 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-3520-0111(大代表) |