ここでは、さまざまながんの治療薬として使われている「シスプラチン」について、その働きや特徴、使い方、注意点、副作用などを説明します。
シスプラチンは、睾丸腫瘍や肺がん、胃がん、卵巣がん、膀胱がん、頭や首のがんなど、幅広いがんの治療に使用されている薬です。治療による効果や副作用の出方には個人差があるため、この薬について正しく理解したうえで、主治医とよく相談して治療を受けることが大切です。
シスプラチンは、がん細胞のDNAに結びつき、細胞が分裂するのを妨げる働きをする薬です。2024年時点で、日本国内外の医療ガイドラインにおいて、以下のようながんに対して標準治療として認められています。
患者の健康状態や他の治療の内容によっては、上記のがんであってもシスプラチンが使われないこともあります。また、ごく一部ではありますが、がん以外の病気に対して使用される場合もあります。
この薬の有効成分は「シスプラチン」と呼ばれるもので、同名の成分がそのまま薬の名前として使われています。
シスプラチンは、静脈から注射する形で投与されます。どれくらいの量を、どのくらいの頻度で使うかは、がんの種類や患者の体調によって異なります。
シスプラチンを使っている患者さんの多くに、吐き気や嘔吐、食欲不振といった消化器の不調が見られます。これらを防ぐため、投与前後には吐き気止めなどの薬を使うことが一般的です。
また、この薬は腎臓に強い負担をかけることが知られています。そのため、治療の前後に大量の点滴と利尿薬を使って尿の量を確保する「ハイドレーション療法」が行われるのが現在の標準的なやり方です。
腎臓の機能が落ちないようにするためには、検査で状態をこまめに確認することが必要です。
さらに、骨髄の働きが抑えられて、貧血や白血球の減少が起きることもあります。これらも血液検査などで早めに異常を見つけて対処する必要があります。
以下に当てはまる方は、特に慎重な対応が求められます。
シスプラチンは他の治療法や薬との組み合わせによって、副作用が強く出ることがあります。たとえば抗がん剤や放射線と一緒に使うと、骨髄がさらに抑えられることがあります。
また、胸に放射線を当てる治療を同時に行うと、重い皮膚炎や肺の炎症が起きたという報告もあります。
「パクリタキセル」という薬と組み合わせるときには、使う順番がとても重要です。シスプラチンを先に投与すると骨髄への副作用が強く出ることがあるため、現在の医療現場ではパクリタキセルを先に投与するスケジュールが推奨されています。
また、アミノグリコシド系抗生物質(例:ゲンタマイシン)を一緒に使うと、腎臓や耳の機能に悪影響が出ることがあるため注意が必要です。フェニトインという薬の血中濃度が下がることも報告されています。
シスプラチンを使うと、以下のような重い副作用が現れることがあります。
これらの症状が見られた場合は、すぐに治療を中止し、適切な対応を受けられるよう、早急に医師に相談しましょう。
また、重い副作用には含まれないものの、日常生活に影響を及ぼすような軽い副作用もいくつか知られています。副作用についての詳しい情報を知りたい場合は、主治医に確認してください。
シスプラチンによる治療では、患者さん一人ひとりの体質やがんのタイプに合わせて、効果や副作用を予測するための研究が進んでいます。
たとえば、特定の遺伝子や腫瘍の特徴を調べることで、治療の成果がどの程度見込めるかをあらかじめ判断できる可能性があります。
また、副作用を減らす目的で、シスプラチンをナノ粒子やリポソームといった形に変えた新しいタイプの薬も研究中です。さらに、免疫チェックポイント阻害薬(たとえばニボルマブやペムブロリズマブなど)と併用する新しい治療法も2020年代に入ってから増えてきています。
腎臓の負担が大きいシスプラチンが使いにくい場合には、同じような働きをするカルボプラチンや、特に大腸がんに使われるオキサリプラチンといった別の薬が選ばれることもあります。
当サイトでは、保険診療で受ける「抗がん剤治療」と、自由診療で受ける「トモセラピー」や「樹状細胞ワクチン療法」でステージ4のがんを治療する方法について紹介しています。がんの進行度により、医師と相談して検討しましょう。
画像引用元:クリニックC4公式HP
(https://cccc-sc.jp/)
痛み・副作用の少ない放射線療法
放射線治療のトモセラピーに特化したクリニックで、重粒子線、陽子線などの先進医療での治療を断られた方にも、ステージ4で「手立てがない」と言われた方にも、身体に優しいがん治療をお探しの方にも、痛み・副作用の少ない治療を行います。薬剤との併用により、より積極的な治療を行うことも可能です。
所在地 | 東京都渋谷区元代々木町33-12 |
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電話番号 | 03-6407-9407 |
画像引用元:銀座鳳凰クリニック公式HP
(https://www.ginzaphoenix.com/)
患者の細胞からワクチンを作製
免疫細胞を研究している院長のもと、免疫の司令塔である樹状細胞を使ってがん免疫療法を行っているクリニックです。患者様専用のワクチンを作るイメージで、治療の手立てがないと言われた患者様へも提供可能な治療法です。しっかりと寄り添って治療を進めていく姿勢も、治療を選択する要因になっているようです。
所在地 | 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDXビル北ウィング6F |
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電話番号 | 03-6263-8163 |
画像引用元:がん研有明病院公式HP
(https://www.jfcr.or.jp/hospital/)
新しいがん治療薬の導入に積極的
抗がん剤による薬物療法が進む中、「先端医療開発科」が創設され、新しいがん治療薬での治療をいち早く受けられるよう、早期臨床開発を推進している病院です。幅広い知識と経験を持つ専任医師とスタッフが、それぞれの患者様に合った臨床試験を提案し、これまでの薬では治らなかったがんの治療に取り組んでいます。
所在地 | 東京都江東区有明3-8-31 |
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電話番号 | 03-3520-0111(大代表) |