シスプラチンは、白金製剤またはプラチナ製剤と呼ばれる抗がん剤の一種です。がん細胞のDNAに作用し、細胞分裂を妨げることで抗がん効果を発揮します。
肺がん、食道がん、胃がん、頭頸部がん、膀胱がん、卵巣がん、精巣腫瘍など、さまざまながんの治療で使われることがあります。一方で、腎障害、吐き気・嘔吐、骨髄抑制、難聴、しびれなどの副作用に注意が必要な薬でもあります。
このページでは、シスプラチンの働き、対象となるがん、投与方法、副作用、治療中の注意点、治療継続に不安があるときの相談先について解説します。
※本ページは2026年5月時点の公的情報・医薬品情報をもとに作成しています。実際の治療内容や副作用への対応は、必ず主治医・薬剤師・看護師に確認してください。
シスプラチンは、白金原子を含むことから「白金製剤」または「プラチナ製剤」と呼ばれる抗がん剤です。英語名の略称から「CDDP」と表記されることもあります。
がん細胞のDNAに結合し、DNAの複製や細胞分裂を妨げることで、がん細胞の増殖を抑えます。古くから多くのがんで使われている薬ですが、副作用対策を行いながら慎重に投与する必要があります。
シスプラチンは、さまざまながんで使われることがある抗がん剤です。代表的ながんには、次のようなものがあります。
ただし、これらのがんであっても、必ずシスプラチンが使われるわけではありません。がんの種類、病期、治療目的、腎機能、聴力、体力、過去の治療歴、他の薬との組み合わせなどを踏まえて判断されます。
シスプラチンは、がん細胞のDNAに結びつき、DNAの複製や細胞分裂を妨げることで抗がん作用を示します。がん細胞の増殖を抑える一方で、正常な細胞にも影響することがあるため、副作用の予防と早期対応が重要です。
特に注意が必要な副作用として、腎障害、吐き気・嘔吐、骨髄抑制、難聴・耳鳴り、末梢神経障害などがあります。これらを軽減するため、治療前後の点滴、吐き気止め、血液検査、尿量確認などを行いながら治療を進めます。
シスプラチンは、静脈から点滴で投与します。投与量や投与間隔は、がんの種類、治療目的、併用する薬、体表面積、腎機能、全身状態などによって異なります。
単独で使う場合もありますが、多くの場合は他の抗がん剤、放射線治療、免疫チェックポイント阻害薬などと組み合わせて使用されます。治療スケジュールは「レジメン」と呼ばれ、数週間を1コースとして繰り返すことがあります。
シスプラチンは腎臓への負担が大きいため、投与前後に点滴で水分を補い、尿量を確保しながら行うことが一般的です。治療内容によっては、外来ではなく入院で行われることもあります。
シスプラチンは有用な抗がん剤ですが、腎臓に負担をかけやすい薬です。腎障害を防ぐため、投与前後に点滴で水分を補い、尿量を増やしてシスプラチンを体の外へ排出しやすくします。
このように、点滴で水分を補って尿量を確保する方法を「ハイドレーション」といいます。必要に応じて、利尿薬を使って尿量を増やすこともあります。
治療中は医療者から水分摂取について指示されることがあります。ただし、心臓や腎臓の病気がある方では、水分の取り方に注意が必要です。自己判断で大量の水分を取るのではなく、主治医や看護師、薬剤師の指示に従いましょう。
シスプラチンの副作用は、投与量、併用する薬、体調、腎機能、過去の治療歴などによって異なります。すべての人に同じ副作用が起こるわけではありませんが、次のような副作用に注意が必要です。
シスプラチンは、吐き気や嘔吐が起こりやすい抗がん剤のひとつです。現在は吐き気止めを組み合わせて予防・軽減することが一般的です。吐き気が強い場合や食事・水分が取れない場合は、我慢せず医療者へ相談しましょう。
シスプラチンは腎臓に負担をかけることがあります。腎障害を防ぐために、投与前後の点滴、尿量の確認、血液検査による腎機能チェックが行われます。尿量が少ない、むくみが強い、体重が急に増えた場合などは相談が必要です。
白血球、赤血球、血小板が減ることがあります。白血球が減ると感染症にかかりやすくなり、赤血球が減ると貧血、血小板が減ると出血しやすさにつながります。発熱、寒気、のどの痛み、出血しやすいなどの症状に注意しましょう。
シスプラチンでは、耳鳴りや聞こえにくさが起こることがあります。症状が出た場合は早めに医師へ伝えましょう。小児や高齢者、もともと聴力に不安がある方では特に注意が必要です。
手足のしびれ、感覚の鈍さ、細かい作業のしにくさなどが起こることがあります。症状が強くなる前に医療者へ伝えることが大切です。
発疹、かゆみ、息苦しさ、血圧低下などのアレルギー反応が起こることがあります。点滴中や点滴後に異変を感じた場合は、すぐに医療者へ知らせましょう。
シスプラチン治療では、しゃっくりが続くことがあります。長く続いて眠れない、食事が取りにくいなど生活に支障がある場合は、薬で対応できることもあるため相談しましょう。
シスプラチン治療中は、副作用を我慢しすぎないことが大切です。次のような症状がある場合は、自己判断せず、治療を受けている医療機関へ連絡しましょう。
病院によっては、夜間・休日の連絡先や発熱時の対応方法が決められています。治療開始前に確認しておきましょう。
次のような方は、シスプラチンの使用について慎重な判断が必要になることがあります。
当てはまる項目がある場合は、治療前に必ず主治医へ伝えましょう。
シスプラチンは、他の薬や治療との組み合わせによって副作用が強く出ることがあります。治療前には、現在使っている薬、サプリメント、市販薬、漢方薬を医師や薬剤師へ伝えましょう。
自己判断で薬を中止・追加せず、必ず医療者に確認してください。
腎機能が低下している場合、聴力への影響が懸念される場合、体力的に強い治療が難しい場合などには、シスプラチン以外の薬剤や治療方法が検討されることがあります。
同じ白金製剤の仲間として、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチンなどがあります。ただし、どの薬が適しているかは、がんの種類や治療目的、副作用の出方、保険適用、これまでの治療歴によって異なります。
また、がんの種類によっては、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬、放射線治療、緩和ケア・支持療法などを組み合わせることもあります。シスプラチンを使えない、または続けるのが難しいと感じる場合は、自己判断で治療を中断せず、主治医に代替案を相談しましょう。
シスプラチンは多くのがんで使われる重要な抗がん剤ですが、腎障害、吐き気、難聴、しびれなどの副作用に注意が必要な薬でもあります。副作用がつらい場合や、治療を続けられるか不安な場合は、自己判断で中止せず、まず主治医に症状を具体的に伝えることが大切です。
進行がんや再発がんでは、シスプラチンを含む薬物療法を続けながら、病状や体力、副作用の出方に応じて、薬の変更、放射線治療、緩和ケア、セカンドオピニオンなどを検討することがあります。
シスプラチンを含む抗がん剤治療では、薬剤費、検査費、点滴管理、入院費、通院費などがかかります。費用は、がんの種類、治療スケジュール、自己負担割合、入院か外来かによって異なります。
保険診療で行われる治療であれば、年齢や所得に応じた自己負担割合で治療を受けられます。また、1か月の医療費の自己負担が一定額を超えた場合には、高額療養費制度を利用できることがあります。
費用に不安がある場合は、病院の相談窓口、医療ソーシャルワーカー、がん相談支援センターに相談しましょう。
治療方針、副作用、費用、仕事との両立、家族への伝え方などで悩んだときは、主治医だけでなく、がん相談支援センターを活用する方法もあります。
がん相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院などに設置されている相談窓口です。その病院に通っていない方でも相談できる場合があり、看護師や医療ソーシャルワーカーなどが、がんに関する不安や疑問に対応しています。
また、現在の治療方針について別の医師の意見を聞きたい場合は、セカンドオピニオンを検討することもできます。セカンドオピニオンは、主治医を変えるためのものではなく、治療を納得して選ぶための方法のひとつです。
シスプラチンは、白金製剤と呼ばれる抗がん剤です。がん細胞のDNAに作用し、細胞分裂を妨げることで抗がん効果を発揮します。
シスプラチンは腎臓に負担をかけることがあるため、点滴で水分を補い、尿量を確保して腎障害を防ぐ目的があります。水分の取り方は、医師や看護師の指示に従いましょう。
吐き気や嘔吐は起こりやすい副作用ですが、現在は吐き気止めを組み合わせて予防・軽減することが一般的です。症状が強い場合は我慢せず相談しましょう。
耳鳴りや聞こえにくさが起こることがあります。症状に気づいた場合は、早めに主治医へ伝えてください。
腎機能が低下している場合は、シスプラチンの使用が難しいことがあります。その場合、別の薬剤や治療方法が検討されることがあります。
副作用が強い場合は、投与量の調整、休薬、支持療法、薬剤変更などが検討されます。自己判断で中止せず、症状を具体的に主治医へ伝えましょう。
カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチンなどがあります。ただし、使える薬はがんの種類や病状、保険適用、副作用の出方によって異なります。
サプリメントや市販薬の中には、腎機能や薬の効果、副作用に影響するものがあります。使用前に必ず医師や薬剤師に相談してください。
抗がん剤治療中の副作用や今後の治療に不安がある方へ
放射線治療の可能性を詳しく知りたい方へ
当サイトでは、保険診療で受ける「抗がん剤治療」と、自由診療で受ける「トモセラピー」や「樹状細胞ワクチン療法」でステージ4のがんを治療する方法について紹介しています。がんの進行度により、医師と相談して検討しましょう。
画像引用元:クリニックC4公式HP
(https://cccc-sc.jp/)
痛み・副作用の少ない放射線療法
放射線治療のトモセラピーに特化したクリニックで、重粒子線、陽子線などの先進医療での治療を断られた方にも、ステージ4で「手立てがない」と言われた方にも、身体に優しいがん治療をお探しの方にも、痛み・副作用の少ない治療を行います。薬剤との併用により、より積極的な治療を行うことも可能です。
| 所在地 | 東京都渋谷区元代々木町33-12 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6407-9407 |
画像引用元:銀座鳳凰クリニック公式HP
(https://www.ginzaphoenix.com/)
患者の細胞からワクチンを作製
免疫細胞を研究している院長のもと、免疫の司令塔である樹状細胞を使ってがん免疫療法を行っているクリニックです。患者様専用のワクチンを作るイメージで、治療の手立てがないと言われた患者様へも提供可能な治療法です。しっかりと寄り添って治療を進めていく姿勢も、治療を選択する要因になっているようです。
| 所在地 | 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDXビル北ウィング6F |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6263-8163 |
画像引用元:がん研有明病院公式HP
(https://www.jfcr.or.jp/hospital/)
新しいがん治療薬の導入に積極的
抗がん剤による薬物療法が進む中、「先端医療開発科」が創設され、新しいがん治療薬での治療をいち早く受けられるよう、早期臨床開発を推進している病院です。幅広い知識と経験を持つ専任医師とスタッフが、それぞれの患者様に合った臨床試験を提案し、これまでの薬では治らなかったがんの治療に取り組んでいます。
| 所在地 | 東京都江東区有明3-8-31 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-3520-0111(大代表) |