乳がんステージ4とは、乳房にできたがんが、骨、肺、肝臓、脳など離れた臓器に転移している状態です。遠隔転移があるため、手術だけでがんをすべて取り除くことは難しい場合が多く、薬物療法を中心に、症状を和らげる治療や緩和ケア・支持療法を組み合わせながら治療を進めます。
ステージ4と聞くと「もう治療できないのでは」と不安になる方もいますが、治療ができないという意味ではありません。乳がんは、ホルモン受容体やHER2などの性質によって使える薬が異なり、ホルモン療法、分子標的薬、抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬などを使い分けながら、がんの進行を抑えたり、生活の質を保ったりすることを目指します。
このページでは、乳がんステージ4の状態、転移しやすい場所、起こりやすい症状、治療法、主治医に確認したいこと、相談先について解説します。
※本ページは2026年5月時点の公的情報・診療ガイドライン関連情報をもとに作成しています。実際の診断や治療方針は、必ず主治医と相談して決めてください。
乳がんステージ4で、今後の治療や相談先を整理したい方へ
標準治療を基本に、薬物療法、放射線治療、緩和ケア、セカンドオピニオンなどの相談先を比較できます。
乳がんステージ4とは、乳房にできたがんが、骨、肺、肝臓、脳など離れた臓器に転移している状態です。がんの大きさや、わきの下のリンパ節転移の有無にかかわらず、遠隔転移が確認されるとステージ4に分類されます。
ステージ4では、手術で乳房のがんを取り除くだけでは全身に広がったがんを治療することができないため、薬物療法を中心に治療を進めることが一般的です。
ただし、痛み、出血、皮膚の症状、骨転移による痛み、脳転移による症状などがある場合には、症状を和らげる目的で放射線治療や手術、緩和ケアを組み合わせることがあります。
乳がんステージ4では、遠隔転移があるため、手術だけで完全にがんを取り除くことは難しい場合が多くあります。しかし、治療ができないという意味ではありません。
ステージ4の治療では、がんの進行を抑えること、症状を和らげること、生活の質を保つことを目標に、薬物療法を中心とした治療が行われます。乳がんは、ホルモン受容体やHER2などの性質によって使える薬が異なるため、サブタイプに応じて治療法を選びます。
治療を続けながら、必要に応じて放射線治療、緩和ケア、リハビリテーション、栄養相談、心理的支援などを組み合わせることも大切です。
乳がんは、乳腺の細胞から発生する悪性腫瘍です。乳房は、母乳をつくる小葉、母乳を乳頭まで運ぶ乳管、脂肪組織などから構成されています。乳がんの多くは乳管から発生します。
乳がんには、がん細胞が乳管や小葉の中にとどまっている「非浸潤がん」と、乳管や小葉の外へ広がった「浸潤がん」があります。非浸潤がんは適切な治療を行えば転移することはなく、再発も少ないとされています。一方、浸潤がんでは、リンパ節や離れた臓器へ転移する可能性があります。
乳がんは早期に見つかれば治療選択肢が多いがんですが、ステージ4では遠隔転移があるため、治療の目的や方針が早期乳がんとは異なります。
乳がんでは、乳房のしこりをきっかけに受診する方が多くいます。しこりは痛みを伴わないこともありますが、痛みの有無だけで良性か悪性かを判断することはできません。
乳がんでみられることがある症状には、次のようなものがあります。
ステージ4では、乳房そのものの症状だけでなく、転移した臓器に応じた症状が現れることがあります。骨の痛み、息苦しさ、咳、腹部の張り、頭痛、手足のしびれなどがある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
乳がんが疑われる場合は、視触診、マンモグラフィ、乳房超音波検査、細胞診・組織診などを行います。乳がんと診断された後は、がんの広がりや転移の有無、がんの性質を調べ、治療方針を決めます。
乳房専用のX線検査です。しこりとして触れない小さな病変や石灰化を見つけるために行われます。
乳房に超音波をあて、しこりの性質や大きさを調べる検査です。乳腺が発達している若い世代や、高濃度乳房の方でも病変を確認しやすい場合があります。
しこりや疑わしい病変から細胞や組織を採取し、がん細胞の有無を調べます。乳がんの確定診断に重要な検査です。
リンパ節や骨、肺、肝臓、脳などへの転移を調べるために、CT、骨シンチグラフィ、MRI、PET検査などが行われることがあります。どの検査を行うかは、症状や病状によって異なります。
乳がんでは、ホルモン受容体、HER2、Ki67などを調べ、薬物療法を選ぶ参考にします。ステージ4では、サブタイプの確認が治療選択に大きく関わります。
乳がんでは、BRCA1またはBRCA2遺伝子に変異がある場合、薬物療法や手術の選択に関わることがあります。検査の対象になるかどうかは、病状や家族歴、治療歴などを踏まえて判断されます。
乳がんの治療方針は、ステージ、がんのサブタイプ、年齢、体の状態、本人の希望などを踏まえて決めます。早期乳がんでは手術を中心に治療を組み立てることが多い一方、ステージ4では薬物療法を中心に、症状に応じた治療を組み合わせます。
0期は非浸潤がんで、がん細胞が乳管や小葉の中にとどまっている状態です。乳房部分切除や乳房全切除が検討され、乳房部分切除後には放射線治療を行うことがあります。
I〜II期では、手術によってがんを取り除くことが治療の中心です。がんの大きさや位置、乳房の状態、本人の希望によって、乳房部分切除または乳房全切除を検討します。
術後には、再発リスクやサブタイプに応じて、放射線治療や薬物療法を組み合わせることがあります。腫瘍が大きい場合には、手術の前に薬物療法を行ってがんを小さくしてから手術を検討することもあります。
III期では、乳房や周囲のリンパ節にがんが広がっている状態です。手術、薬物療法、放射線治療を組み合わせて治療することが多く、手術前に薬物療法を行ってがんを小さくしてから手術を検討する場合もあります。
IV期は、骨、肺、肝臓、脳など離れた臓器に転移がある状態です。治療は薬物療法が中心となり、サブタイプや全身状態に応じて、ホルモン療法、分子標的薬、抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬などを使い分けます。
転移した臓器に痛みや出血、神経症状などがある場合には、放射線治療や手術などの局所治療を組み合わせることもあります。
乳がんステージ4の治療では、薬物療法を中心に、症状や転移の場所に応じて放射線治療、手術、緩和ケア・支持療法などを組み合わせます。治療の目的は、がんの進行を抑えること、症状を和らげること、生活の質を保つことです。
乳がんに対する薬物療法には、ホルモン療法薬、分子標的薬、細胞障害性抗がん薬、免疫チェックポイント阻害薬があります。どの薬を使うかは、乳がんのサブタイプ、転移の場所、過去の治療歴、体の状態などを踏まえて決めます。
ホルモン受容体陽性乳がんでは、女性ホルモンの働きを抑えるホルモン療法が検討されます。ステージ4でも、病状によってはホルモン療法を長く続けながら病勢を抑えることを目指す場合があります。
HER2陽性乳がんでは、HER2を標的とした分子標的薬が検討されます。また、ホルモン受容体陽性乳がんでは、CDK4/6阻害薬などをホルモン療法と組み合わせることがあります。
抗がん剤治療は、がんの増殖を抑える目的で行われます。ホルモン療法が効きにくい場合、進行が速い場合、臓器機能への影響が懸念される場合などに検討されます。
一部のトリプルネガティブ乳がんなどでは、条件に応じて免疫チェックポイント阻害薬が検討されることがあります。使用できるかどうかは、がんの性質や検査結果、治療歴によって異なります。
ステージ4乳がんでは、骨転移による痛み、脳転移による症状、皮膚やリンパ節の局所症状などに対して、症状を和らげる目的で放射線治療が行われることがあります。
緩和ケアは、終末期だけの医療ではありません。痛み、息苦しさ、不安、倦怠感、食欲不振などを和らげ、治療を続けながら生活の質を保つために、診断時から利用できる支援です。
支持療法は、薬物療法や放射線治療に伴う副作用を軽減し、治療を続けやすくするための医療です。吐き気、痛み、倦怠感、食欲不振、しびれ、骨転移による痛みなど、症状に応じて対応します。
乳がんでは、ステージだけでなく、がん細胞の性質によって治療方針が大きく変わります。薬物療法を選ぶ際には、ホルモン受容体、HER2、Ki67などを調べ、サブタイプ分類を参考にします。
ホルモン受容体陽性の場合、ホルモン療法が治療の中心になることがあります。病状によっては、CDK4/6阻害薬などの分子標的薬を組み合わせることがあります。
HER2陽性の場合、HER2を標的とした分子標的薬を中心に治療を検討します。抗HER2薬と抗がん剤などを組み合わせることがあります。
ホルモン受容体とHER2がいずれも陰性の乳がんです。抗がん剤治療が中心となることが多く、条件によっては免疫チェックポイント阻害薬やその他の薬剤が検討される場合があります。
同じステージ4でも、サブタイプによって治療の進め方は異なります。主治医に、自分の乳がんのサブタイプと、それに基づく治療選択肢を確認しておきましょう。
乳がんは、骨、肺、肝臓、脳、リンパ節などに転移することがあります。転移した場所によって症状や治療方針が異なります。
乳がんの転移で比較的多くみられるのが骨転移です。背中、腰、肋骨、骨盤、足などに痛みが出ることがあります。骨が弱くなり、骨折しやすくなることもあります。
骨転移では、薬物療法に加えて、痛みを和らげるための放射線治療、骨を守る薬、鎮痛薬などを組み合わせることがあります。
肺や胸膜に転移すると、咳、息切れ、息苦しさ、胸の痛み、胸水などが起こることがあります。症状の程度に応じて、薬物療法や胸水への処置、緩和ケアなどを検討します。
肝臓に転移すると、右上腹部の張り、みぞおちの痛み、食欲不振、倦怠感、黄疸などが出ることがあります。ただし、初期には症状が目立たないこともあります。
脳に転移すると、頭痛、吐き気、めまい、手足のしびれや麻痺、言葉が出にくい、けいれんなどの症状が出ることがあります。症状がある場合は早急な対応が必要です。
わきの下、鎖骨周囲、首まわりなどのリンパ節が腫れることがあります。痛みや圧迫感、腕のむくみにつながる場合もあります。
ステージ4乳がんの症状は、転移している場所や病状によって異なります。症状がほとんどないまま画像検査で転移が見つかる場合もあれば、痛みや息苦しさなどの症状をきっかけに転移が分かる場合もあります。
骨転移がある場合、背中、腰、肋骨、肩、足などに持続する痛みが出ることがあります。痛みが強い場合や、急に悪化した場合、しびれや麻痺を伴う場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
肺や胸膜への転移、胸水などにより、息苦しさ、咳、胸の痛みが出ることがあります。急な息切れや呼吸困難がある場合は、早急な対応が必要です。
肝転移や腹膜への広がり、低栄養などにより、腹部の張りや腹水が起こることがあります。食欲不振、吐き気、息苦しさにつながることもあります。
手術でリンパ節を切除した場合や、放射線治療を受けた場合、リンパの流れが悪くなり、腕や胸、わき周辺にむくみが起こることがあります。転移や治療の影響でむくみが出る場合もあります。
むくみが強くなる、左右差がある、皮膚が硬くなる、痛みや熱感がある場合は、自己判断でマッサージや強い運動をせず、医療機関に相談しましょう。
がんそのものや薬物療法の影響で、強いだるさ、食欲不振、体重減少が起こることがあります。症状が続く場合は、栄養相談や支持療法を活用しましょう。
脳転移や脊椎転移がある場合、頭痛、吐き気、手足のしびれ、麻痺、歩きにくさ、言葉が出にくい、けいれんなどが起こることがあります。これらの症状がある場合は、早めに医療機関へ連絡してください。
ステージ4乳がんでは、症状の変化を早めに医療者へ伝えることが大切です。特に次のような症状がある場合は、自己判断せず、治療を受けている医療機関へ連絡しましょう。
病院によっては、夜間・休日の連絡先や、緊急時の受診方法が決められています。治療開始時に、どの症状が出たらどこへ連絡するかを確認しておきましょう。
乳がんステージ4では、治療選択肢が複数あり、サブタイプや転移の場所によって方針が変わります。診察時には、次のような点を確認しておくとよいでしょう。
ステージ4乳がんでは、治療方針、仕事や生活、費用、家族への伝え方など、医療以外の悩みも生じやすくなります。主治医だけでなく、がん相談支援センターを活用することもできます。
がん相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院などに設置されている相談窓口です。その病院に通っていない方でも相談できる場合があり、看護師や医療ソーシャルワーカーなどが、がんに関する不安や疑問に対応しています。
また、現在の治療方針について別の医師の意見を聞きたい場合は、セカンドオピニオンを検討することもできます。セカンドオピニオンは、主治医を変えるためのものではなく、治療を納得して選ぶための方法のひとつです。
乳房のがんが、骨、肺、肝臓、脳など離れた臓器に転移している状態です。がんの大きさやリンパ節転移の有無にかかわらず、遠隔転移がある場合はステージ4に分類されます。
治療は可能です。ステージ4では薬物療法を中心に、がんの進行を抑えること、症状を和らげること、生活の質を保つことを目指します。
遠隔転移がある場合、手術でがんをすべて取り除くことは難しいため、薬物療法が中心になります。ただし、出血、痛み、皮膚症状などへの対応として局所治療が検討されることがあります。
骨転移の痛み、脳転移の症状、局所の痛みや出血などを和らげる目的で放射線治療が検討されることがあります。
背中、腰、肋骨、骨盤、足などに持続する痛みが出ることがあります。骨が弱くなり、骨折しやすくなることもあります。
緩和ケアは終末期だけの医療ではありません。痛み、不安、息苦しさ、倦怠感などを和らげるために、診断時から利用できます。
セカンドオピニオンは、治療方針を理解し納得して選ぶための方法です。希望する場合は、主治医に紹介状や検査資料を依頼しましょう。
治療費に不安がある場合は、病院の相談窓口、医療ソーシャルワーカー、がん相談支援センターに相談できます。高額療養費制度など、利用できる制度について確認しましょう。
乳がんステージ4で相談先を比較したい方へ
骨転移や局所症状への放射線治療を知りたい方へ
当サイトでは、保険診療で受ける「抗がん剤治療」と、自由診療で受ける「トモセラピー」や「樹状細胞ワクチン療法」でステージ4のがんを治療する方法について紹介しています。がんの進行度により、医師と相談して検討しましょう。
画像引用元:クリニックC4公式HP
(https://cccc-sc.jp/)
痛み・副作用の少ない放射線療法
放射線治療のトモセラピーに特化したクリニックで、重粒子線、陽子線などの先進医療での治療を断られた方にも、ステージ4で「手立てがない」と言われた方にも、身体に優しいがん治療をお探しの方にも、痛み・副作用の少ない治療を行います。薬剤との併用により、より積極的な治療を行うことも可能です。
| 所在地 | 東京都渋谷区元代々木町33-12 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6407-9407 |
画像引用元:銀座鳳凰クリニック公式HP
(https://www.ginzaphoenix.com/)
患者の細胞からワクチンを作製
免疫細胞を研究している院長のもと、免疫の司令塔である樹状細胞を使ってがん免疫療法を行っているクリニックです。患者様専用のワクチンを作るイメージで、治療の手立てがないと言われた患者様へも提供可能な治療法です。しっかりと寄り添って治療を進めていく姿勢も、治療を選択する要因になっているようです。
| 所在地 | 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDXビル北ウィング6F |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6263-8163 |
画像引用元:がん研有明病院公式HP
(https://www.jfcr.or.jp/hospital/)
新しいがん治療薬の導入に積極的
抗がん剤による薬物療法が進む中、「先端医療開発科」が創設され、新しいがん治療薬での治療をいち早く受けられるよう、早期臨床開発を推進している病院です。幅広い知識と経験を持つ専任医師とスタッフが、それぞれの患者様に合った臨床試験を提案し、これまでの薬では治らなかったがんの治療に取り組んでいます。
| 所在地 | 東京都江東区有明3-8-31 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-3520-0111(大代表) |