がん治療においては標準的な手術、放射線治療、抗がん剤治療に加えて、免疫療法など補完的な治療法にも注目が集まっています。ここでは、その一つとして一部の医療機関で提供されている「マクロファージ活性化療法」について、免疫の仕組みや療法の概要、安全性に関する情報も交えながら解説します。
マクロファージは、白血球の一種である免疫細胞で、体内に侵入した細菌やウイルス、がん細胞などの異物を貪食(食べて処理)する重要な役割を担っています。また、抗原提示細胞としての役割も持っており、ヘルパーT細胞やB細胞に異物の情報を伝えることで、免疫システム全体を活性化させます。
「マクロファージ活性化療法」と呼ばれる治療法では、患者の血液から得られるGcプロテインという物質をもとに、人工的にGcMAF(ジーシーマフ)と呼ばれるタンパク質を生成し、これを注射によって体内に投与します。このGcMAFは、マクロファージの機能を強化する可能性があるとされています。
一部の医療機関では「2nd GcMAF」などの表現を用いていますが、これらの学術的な定義や標準的な製品分類は2025年時点では存在していません。
活性化されたマクロファージは、以下のような作用が期待されるとされています。
ただし、マクロファージはNK細胞や樹状細胞とは異なる起源・機能を持つため、「両方の働きをする」という表現は誤解を招く可能性があり、補完的な機能を担う細胞として捉えるのが正確です。
「マクロファージ活性化療法」は、一部の医療機関が自由診療として提供していますが、信頼できる臨床試験データが揃っておらず、有効性や安全性に関する科学的な根拠は薄いと言わざるを得ません。その証拠に、厚生労働省や国立がん研究センターでは、GcMAFを用いた治療を標準医療には分類していません。
「マクロファージ活性化療法」の副作用として、軽度の発熱や発疹などがあるとされていますが、GcMAFの製造方法や投与経路が医療機関によって異なることもあり、品質や効果にばらつきがあることも懸念されています。
マクロファージ活性化療法の有効性が確認され、広く一般的になれば、理想的に免疫機能の強化を図り、がんを克服できるかもしれません。
ですが、2025年時点で科学的に充分と言える実証がされていないため、まだその域に達していないのが現状。この治療を検討する際は、信頼できる医療機関で十分な説明とインフォームド・コンセントを受け、慎重を期すことが求められます。
当サイトでは、保険診療で受ける「抗がん剤治療」と、自由診療で受ける「トモセラピー」や「樹状細胞ワクチン療法」でステージ4のがんを治療する方法について紹介しています。がんの進行度により、医師と相談して検討しましょう。
画像引用元:クリニックC4公式HP
(https://cccc-sc.jp/)
痛み・副作用の少ない放射線療法
放射線治療のトモセラピーに特化したクリニックで、重粒子線、陽子線などの先進医療での治療を断られた方にも、ステージ4で「手立てがない」と言われた方にも、身体に優しいがん治療をお探しの方にも、痛み・副作用の少ない治療を行います。薬剤との併用により、より積極的な治療を行うことも可能です。
所在地 | 東京都渋谷区元代々木町33-12 |
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電話番号 | 03-6407-9407 |
画像引用元:銀座鳳凰クリニック公式HP
(https://www.ginzaphoenix.com/)
患者の細胞からワクチンを作製
免疫細胞を研究している院長のもと、免疫の司令塔である樹状細胞を使ってがん免疫療法を行っているクリニックです。患者様専用のワクチンを作るイメージで、治療の手立てがないと言われた患者様へも提供可能な治療法です。しっかりと寄り添って治療を進めていく姿勢も、治療を選択する要因になっているようです。
所在地 | 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDXビル北ウィング6F |
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電話番号 | 03-6263-8163 |
画像引用元:がん研有明病院公式HP
(https://www.jfcr.or.jp/hospital/)
新しいがん治療薬の導入に積極的
抗がん剤による薬物療法が進む中、「先端医療開発科」が創設され、新しいがん治療薬での治療をいち早く受けられるよう、早期臨床開発を推進している病院です。幅広い知識と経験を持つ専任医師とスタッフが、それぞれの患者様に合った臨床試験を提案し、これまでの薬では治らなかったがんの治療に取り組んでいます。
所在地 | 東京都江東区有明3-8-31 |
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電話番号 | 03-3520-0111(大代表) |