悪性リンパ腫は、白血球の一種であるリンパ球ががん化する血液のがんです。リンパ節にしこりや腫れが出ることがありますが、胃や腸、皮膚、脳、骨髄など、リンパ節以外の場所に病変が見つかることもあります。
悪性リンパ腫には多くの病型があり、ゆっくり進行するタイプもあれば、短期間で進行するタイプもあります。病型によって治療方針が大きく異なるため、検査で病型や病気の広がりを確認することが重要です。
このページでは、悪性リンパ腫の概要、症状、原因・リスク要因、検査方法、病気の広がり、主な治療法、再発・難治時に検討される治療について解説します。
※2025年4月時点の情報をもとに作成しています。治療法や薬剤の適応は更新される場合があるため、最新情報は医療機関や主治医に確認してください。
悪性リンパ腫とは、白血球の一種であるリンパ球ががん化し、増殖する病気です。リンパ球は免疫に関わる細胞で、リンパ節、血液、骨髄、脾臓、消化管、皮膚など、体のさまざまな場所に存在しています。
そのため、悪性リンパ腫は首、わきの下、足の付け根などのリンパ節に発生することもあれば、胃や腸、皮膚、脳、肺、骨髄など、リンパ節以外の臓器に発生することもあります。
悪性リンパ腫には多くの種類があり、進行の速さや治療方針は病型によって異なります。診断では、単に「悪性リンパ腫かどうか」だけでなく、どの病型なのかを確認することが大切です。
悪性リンパ腫では、首、わきの下、足の付け根などに痛みの少ないしこりや腫れが見られることがあります。ただし、症状は病変ができる場所や病型によって異なります。
発熱、寝汗、体重減少は「B症状」と呼ばれ、病気の状態を判断する際に確認されることがあります。しこりが続く、急に大きくなる、全身症状を伴う場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
悪性リンパ腫は、がん化したリンパ球の種類や細胞の特徴によって分類されます。大きくは、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けられ、非ホジキンリンパ腫にはB細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫・NK細胞リンパ腫などがあります。
| 分類 | 主な特徴 |
|---|---|
| ホジキンリンパ腫 | 特徴的な細胞を確認して診断されるリンパ腫。病期や全身状態に応じて薬物療法や放射線治療が検討される |
| B細胞リンパ腫 | 日本で比較的多いタイプ。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫などが含まれる |
| T細胞リンパ腫・NK細胞リンパ腫 | 末梢性T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫などが含まれる |
同じ悪性リンパ腫でも、進行が速いタイプとゆっくり進むタイプがあり、治療をすぐ開始するか、経過観察を行うかも病型によって異なります。
悪性リンパ腫の原因は、すべてが明らかになっているわけではありません。多くの場合、特定の原因を一つに絞ることは難しいとされています。
一部の悪性リンパ腫では、ウイルスや細菌の感染、免疫機能の異常、慢性的な炎症などが関係することがあります。たとえば、成人T細胞白血病リンパ腫ではHTLV-1、胃MALTリンパ腫ではヘリコバクター・ピロリ感染が関係する場合があります。
ただし、感染があるからといって必ず悪性リンパ腫になるわけではありません。また、悪性リンパ腫は一般的に親から子へ直接遺伝する病気ではありません。不安がある場合は、検査結果や既往歴をもとに医師へ相談しましょう。
悪性リンパ腫が疑われる場合は、診断を確定するための検査と、病気の広がりや全身状態を確認するための検査が行われます。特に、病型を確認するための生検は重要です。
腫れているリンパ節や病変の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べます。細胞の形だけでなく、免疫染色、染色体検査、遺伝子検査などを組み合わせて、病型を確認します。
悪性リンパ腫は病型によって治療方針が大きく異なるため、生検による診断が治療選択の出発点になります。
CT検査、PET-CT検査、MRI検査、超音波検査などにより、病気の広がりや病変の位置を確認します。治療前の状態を把握するだけでなく、治療効果の判定にも用いられます。
血液検査や尿検査では、貧血、白血球や血小板の状態、肝機能、腎機能、炎症反応、感染症の有無などを確認します。治療を安全に進められるかどうかを判断するためにも重要です。
悪性リンパ腫が骨髄に及んでいる可能性を確認するために、骨髄検査が行われることがあります。一般的には腰の骨から骨髄液や骨髄組織を採取して調べます。
消化管や中枢神経に病変が疑われる場合には、内視鏡検査や脳脊髄液検査が行われることがあります。必要な検査は、症状や病型、画像検査の結果によって異なります。
悪性リンパ腫では、病気がどの範囲に広がっているかを確認するためにステージ分類が行われます。ステージは、リンパ節の広がり、横隔膜の上下、リンパ節以外の臓器への病変の有無などをもとに判断されます。
固形がんでは「転移」という言葉が使われることが多いですが、悪性リンパ腫では、もともとリンパ球が全身をめぐる性質を持つため、全身のリンパ節や臓器に病変が見つかることがあります。
| ステージ | 病気の広がりの目安 |
|---|---|
| Ⅰ期 | 1つのリンパ節領域、または1つのリンパ節外臓器に限られる |
| Ⅱ期 | 横隔膜の同じ側にある複数のリンパ節領域に病変がある |
| Ⅲ期 | 横隔膜の上下両側のリンパ節領域に病変がある |
| Ⅳ期 | 骨髄、肝臓、肺など、リンパ節以外の臓器にも広がっている |
ステージだけで治療方針が決まるわけではありません。病型、進行の速さ、年齢、全身状態、臓器機能などを含めて治療方針が検討されます。
悪性リンパ腫の治療は、病型、ステージ、進行の速さ、年齢、全身状態、臓器機能などをもとに決められます。主な治療法には、薬物療法、放射線治療、造血幹細胞移植、CAR-T細胞療法などがあります。
| 治療法 | 主な目的・特徴 |
|---|---|
| 薬物療法 | 抗がん剤、分子標的薬、抗体薬などを用いて全身の病変に働きかける |
| 放射線治療 | 限局した病変や症状の原因となる病変に照射する |
| 造血幹細胞移植 | 再発リスクが高い場合や再発・難治例などで検討されることがある |
| CAR-T細胞療法 | 患者さんの免疫細胞を利用する治療で、対象となる病型や条件がある |
| 経過観察 | 進行がゆっくりな一部の病型では、すぐ治療を始めず慎重に経過を見る場合がある |
どの治療が適しているかは、病型ごとに異なります。治療方針を確認する際は、自分の病型名、ステージ、治療目的を医師に確認しましょう。
悪性リンパ腫では、薬物療法が中心となることが多くあります。薬物療法には、細胞障害性抗がん薬、抗体薬、分子標的薬、免疫調整薬などがあり、病型に応じて単独または組み合わせて使用されます。
たとえば、B細胞リンパ腫では、CD20という分子を標的とする抗体薬を抗がん薬と組み合わせる治療が行われることがあります。治療の回数や期間は、病型や治療目的によって異なります。
副作用として、骨髄抑制、感染症、吐き気、脱毛、口内炎、だるさなどが起こる場合があります。副作用を抑える薬や感染対策を行いながら治療を進めることもあります。
放射線治療は、特定の病変に放射線を照射する治療法です。限局した病変に対して行われる場合や、薬物療法と組み合わせて行われる場合があります。
また、痛みや圧迫症状など、特定の病変による症状を和らげる目的で検討されることもあります。照射範囲や線量は、病変の場所や治療目的に応じて決められます。
副作用は照射する部位によって異なり、皮膚炎、粘膜炎、だるさ、食欲低下などが起こる場合があります。気になる症状がある場合は、医師や医療スタッフに相談しましょう。
造血幹細胞移植は、大量の薬物療法などを行った後に、造血幹細胞を移植して血液をつくる機能の回復を目指す治療です。患者さん自身の造血幹細胞を用いる自家移植と、ドナーの造血幹細胞を用いる同種移植があります。
悪性リンパ腫では、再発リスクが高い場合や、再発・難治性の場合などに検討されることがあります。ただし、体への負担が大きい治療であり、年齢、全身状態、病型、治療歴などを踏まえて慎重に判断されます。
標準的な治療で十分な効果が得られない場合や再発した場合には、病型や治療歴に応じて、別の薬物療法、造血幹細胞移植、CAR-T細胞療法などが検討されることがあります。
CAR-T細胞療法は、患者さん自身のT細胞を取り出し、がん細胞を攻撃しやすいように加工して体内に戻す治療です。対象となる病型や治療歴などの条件があり、すべての悪性リンパ腫で受けられるわけではありません。
再発・難治性の悪性リンパ腫で治療選択肢に悩む場合は、血液内科や専門医療機関で、現在の病型や治療歴をもとに相談しましょう。
悪性リンパ腫は病型が多く、治療方針も病型やステージ、全身状態によって異なります。診断後は、病型名、ステージ、検査結果、これまでの治療歴を整理したうえで、血液内科などの専門診療科に相談することが大切です。
再発・難治性の場合や、標準治療後の選択肢を検討したい場合には、セカンドオピニオンや専門医療機関への相談が役立つこともあります。
悪性リンパ腫は、リンパ球ががん化する血液のがんで、リンパ節だけでなく全身のさまざまな場所に病変が見つかることがあります。
悪性リンパ腫には多くの病型があり、進行の速さや治療方針は病型によって異なります。診断では、生検や画像検査、血液検査などを通じて、病型や病気の広がりを確認します。
治療には、薬物療法、放射線治療、造血幹細胞移植、CAR-T細胞療法などがあります。自分に合う治療方針を確認するためには、主治医や血液内科の専門医に相談し、必要に応じてセカンドオピニオンも検討しましょう。
当サイトでは、保険診療で受ける「抗がん剤治療」と、自由診療で受ける「トモセラピー」や「樹状細胞ワクチン療法」でステージ4のがんを治療する方法について紹介しています。がんの進行度により、医師と相談して検討しましょう。
画像引用元:クリニックC4公式HP
(https://cccc-sc.jp/)
痛み・副作用の少ない放射線療法
放射線治療のトモセラピーに特化したクリニックで、重粒子線、陽子線などの先進医療での治療を断られた方にも、ステージ4で「手立てがない」と言われた方にも、身体に優しいがん治療をお探しの方にも、痛み・副作用の少ない治療を行います。薬剤との併用により、より積極的な治療を行うことも可能です。
| 所在地 | 東京都渋谷区元代々木町33-12 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6407-9407 |
画像引用元:Ginza Phoenix Clinic公式HP
(https://gpc.clinic/)
患者の細胞からワクチンを作製
免疫細胞を研究している院長のもと、免疫の司令塔である樹状細胞を使ってがん免疫療法を行っているクリニックです。患者様専用のワクチンを作るイメージで、治療の手立てがないと言われた患者様へも提供可能な治療法です。しっかりと寄り添って治療を進めていく姿勢も、治療を選択する要因になっているようです。
| 所在地 | 東京都中央区京橋2-4-12 第一生命京橋キノテラス3F |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6263-8163 |
画像引用元:がん研有明病院公式HP
(https://www.jfcr.or.jp/hospital/)
新しいがん治療薬の導入に積極的
抗がん剤による薬物療法が進む中、「先端医療開発科」が創設され、新しいがん治療薬での治療をいち早く受けられるよう、早期臨床開発を推進している病院です。幅広い知識と経験を持つ専任医師とスタッフが、それぞれの患者様に合った臨床試験を提案し、これまでの薬では治らなかったがんの治療に取り組んでいます。
| 所在地 | 東京都江東区有明3-8-31 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-3520-0111(大代表) |