イリノテカンは、トポイソメラーゼI阻害薬と呼ばれる抗がん剤の一種です。がん細胞のDNA複製に関わる酵素の働きを妨げ、がん細胞の増殖を抑えます。
大腸がん、胃がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、膵がん、小児固形悪性腫瘍など、さまざまながんの治療で使われることがあります。一方で、下痢、白血球減少、感染症、吐き気、口内炎、間質性肺炎などの副作用に注意が必要な薬でもあります。
このページでは、イリノテカンの働き、使われるがん、投与方法、特に注意したい下痢、UGT1A1遺伝子多型、副作用、治療中の注意点、治療継続に不安があるときの相談先について解説します。
※本ページは2026年5月時点の公的情報・医薬品情報をもとに作成しています。実際の治療内容や副作用への対応は、必ず主治医・薬剤師・看護師に確認してください。
イリノテカンは、トポイソメラーゼI阻害薬に分類される抗がん剤です。一般名は「イリノテカン塩酸塩水和物」で、CPT-11と表記されることもあります。
体内でSN-38という活性代謝物に変わり、がん細胞のDNA複製に関わる酵素を阻害します。その結果、がん細胞が増殖しにくくなります。
ただし、SN-38は正常な細胞にも影響することがあるため、下痢や骨髄抑制などの副作用に注意しながら治療を行います。
イリノテカンは、さまざまながんで使われることがある抗がん剤です。代表的ながんには、次のようなものがあります。
ただし、これらのがんであっても、必ずイリノテカンが使われるわけではありません。がんの種類、病期、治療目的、全身状態、過去の治療歴、併用する薬、副作用の出方などを踏まえて判断されます。
イリノテカンは、DNAトポイソメラーゼIという酵素の働きを妨げることで、がん細胞の増殖を抑える薬です。DNAトポイソメラーゼIは、細胞がDNAを複製するときに関わる酵素です。
イリノテカンは体内でSN-38という活性代謝物に変わり、抗がん作用を示します。一方で、このSN-38の処理には個人差があり、副作用の出やすさにも関係します。
特に、下痢や白血球減少などが強く出ることがあるため、治療中は血液検査や体調確認を行いながら、投与量や治療間隔を調整することがあります。
イリノテカンは、静脈から点滴で投与する抗がん剤です。投与量や投与間隔は、がんの種類、治療目的、体表面積、全身状態、併用する薬、副作用の出方などによって異なります。
治療スケジュールには、週1回投与する方法、2週間ごとに投与する方法、他の抗がん剤や分子標的薬と組み合わせる方法などがあります。これらの治療スケジュールは「レジメン」と呼ばれ、医師が病状に合わせて選択します。
投与量は、血液検査の結果や下痢などの副作用の程度によって、延期・減量されることがあります。自己判断で治療を中止せず、気になる症状がある場合は主治医に伝えましょう。
イリノテカンでは、下痢が重要な副作用のひとつです。下痢が続くと、脱水、栄養障害、腎機能低下、感染症の悪化につながることがあります。重度の場合は命に関わることもあるため、早めの対応が大切です。
下痢の回数、続いている日数、便の色や状態、血液が混じるかどうか、食事や水分の量、尿の量などを記録しておくと、医師や看護師に相談するときに役立ちます。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
点滴中や投与直後に、お腹が痛い、汗が出る、鼻水が出る、唾液が増える、下痢が出るといった症状が起こることがあります。これは薬の作用によるコリン作動性症状として起こる場合があります。
点滴中に腹痛、下痢、発汗、気分不快などがある場合は、すぐに医療スタッフへ知らせましょう。
投与後数日してから、水のような下痢が起こることがあります。遅れて出る下痢は重くなることがあるため、回数が増える、水様便が続く、腹痛や発熱を伴う場合は、早めに医療機関へ連絡しましょう。
下痢止めを処方されている場合でも、使い方は医師や薬剤師の指示に従ってください。自己判断で市販薬や整腸剤を追加しないようにしましょう。
イリノテカンの副作用は、投与量、投与間隔、併用する薬、体調、UGT1A1遺伝子多型などによって異なります。すべての人に同じ副作用が起こるわけではありませんが、次のような副作用に注意が必要です。
白血球、赤血球、血小板が減ることがあります。白血球が減ると感染症にかかりやすくなり、赤血球が減ると貧血、血小板が減ると出血しやすさにつながります。
発熱、寒気、のどの痛み、咳、強いだるさ、出血しやすい、あざが増えるなどの症状に注意しましょう。
吐き気、嘔吐、食欲不振が起こることがあります。症状が強い場合や水分が取れない場合は、吐き気止めや食事の工夫について相談しましょう。
口の中が痛い、しみる、白い斑点が出る、食事が取りにくいといった症状が出ることがあります。口腔ケアや痛みへの対策を医療者に相談しましょう。
治療中に脱毛が起こることがあります。多くの場合、治療終了後に少しずつ回復しますが、回復の時期には個人差があります。
まれに間質性肺炎が起こることがあります。息切れ、空咳、発熱、息苦しさがある場合は、早めに医療機関へ連絡してください。
強い腹痛、血便、黒い便、腹部の張り、嘔吐、便やガスが出ないなどの症状がある場合は、すぐに医療機関へ連絡しましょう。
イリノテカン治療中は、下痢や発熱を我慢しすぎないことが大切です。次のような症状がある場合は、自己判断せず、治療を受けている医療機関へ連絡しましょう。
夜間・休日の連絡先や、下痢・発熱時の対応方法は、治療開始前に確認しておきましょう。
イリノテカンは体内でSN-38という活性代謝物に変わり、抗がん作用を示します。SN-38は主にUGT1A1という酵素によって処理されますが、この酵素の働きには個人差があります。
UGT1A1*6やUGT1A1*28と呼ばれる遺伝子多型を持つ方では、SN-38の処理が遅れ、強い下痢や白血球減少などの副作用が出やすくなることがあります。
PMDA添付文書でも、UGT1A1*6またはUGT1A1*28のいずれかをホモ接合体、または両方をヘテロ接合体として持つ患者では、SN-38の代謝が遅れ、重篤な副作用、特に好中球減少の発現可能性が高くなることが報告されています。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
治療内容や投与量によっては、治療前にUGT1A1遺伝子多型検査が検討されることがあります。検査の必要性や結果の意味は、主治医に確認しましょう。
次のような方は、イリノテカンの使用について慎重な判断が必要になることがあります。治療前に必ず主治医へ伝えましょう。
妊娠する可能性のある女性では、投与中および最終投与後一定期間の避妊が必要とされています。また、男性にも一定期間の避妊が必要とされています。具体的な期間や方法は主治医に確認してください。
イリノテカンは、他の薬や食品、サプリメントとの組み合わせによって、副作用が強く出たり、効果に影響したりすることがあります。治療前には、現在使っている薬、サプリメント、市販薬、漢方薬を医師や薬剤師へ伝えましょう。
自己判断で薬やサプリメントを中止・追加せず、必ず医療者に確認してください。
イリノテカンには、通常のイリノテカン製剤のほかに、リポソーム型イリノテカンと呼ばれる製剤があります。リポソーム型は、薬を脂質の膜で包んだ製剤で、通常のイリノテカンとは有効性、安全性、体内での動きが異なります。
通常のイリノテカンをリポソーム型イリノテカンの代わりとして使ったり、同じ用法・用量で使ったりすることはできません。どちらを使用するかは、がんの種類、病状、治療歴、体の状態を踏まえて主治医が判断します。
イリノテカンは多くのがんで使われる抗がん剤ですが、下痢、白血球減少、感染症、吐き気などの副作用に注意が必要です。特に下痢は重くなることがあるため、症状を我慢せず、早めに主治医へ伝えることが大切です。
進行がんや再発がんでは、イリノテカンを含む薬物療法を続けながら、病状や副作用の出方に応じて、薬の変更、放射線治療、緩和ケア、セカンドオピニオンなどを検討することがあります。
イリノテカンを含む抗がん剤治療では、薬剤費、検査費、点滴管理、入院費、通院費などがかかります。費用は、がんの種類、治療スケジュール、自己負担割合、入院か外来かによって異なります。
保険診療で行われる治療であれば、年齢や所得に応じた自己負担割合で治療を受けられます。また、1か月の医療費の自己負担が一定額を超えた場合には、高額療養費制度を利用できることがあります。
費用に不安がある場合は、病院の相談窓口、医療ソーシャルワーカー、がん相談支援センターに相談しましょう。高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が上限額を超えた場合、その超えた額が支給される制度です。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
治療方針、副作用、費用、仕事との両立、家族への伝え方などで悩んだときは、主治医だけでなく、がん相談支援センターを活用する方法もあります。
がん相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院などに設置されている、がんに関する相談窓口です。がんについて詳しい看護師や、生活全般の相談ができるソーシャルワーカーなどが相談員として対応しています。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
また、現在の治療方針について別の医師の意見を聞きたい場合は、セカンドオピニオンを検討することもできます。セカンドオピニオンは、主治医を変えるためのものではなく、治療を納得して選ぶための方法のひとつです。
イリノテカンは、トポイソメラーゼI阻害薬と呼ばれる抗がん剤です。がん細胞のDNA複製に関わる酵素を妨げ、がん細胞の増殖を抑えます。
下痢はイリノテカンで特に注意が必要な副作用です。投与中または投与直後に起こる場合と、数日後に遅れて起こる場合があります。水様便が続く場合や発熱・腹痛を伴う場合は、すぐに医療機関へ連絡しましょう。
イリノテカンの副作用リスクに関わる遺伝子多型を調べる検査です。UGT1A1*6やUGT1A1*28を持つ方では、強い下痢や白血球減少が起こりやすい場合があります。
グレープフルーツジュースは薬の代謝に影響し、副作用が強く出る可能性があります。治療中は避けるよう指示されることがあります。
副作用が強い場合は、投与量の調整、延期、支持療法、薬剤変更などが検討されます。自己判断で中止せず、症状を具体的に主治医へ伝えましょう。
同じイリノテカン系の薬ですが、製剤の仕組み、有効性、安全性、体内での動きが異なります。同じ用法・用量で使うことはできません。
サプリメントや市販薬の中には、治療効果や副作用に影響するものがあります。使用前に必ず医師や薬剤師に相談してください。
抗がん剤治療中の副作用や今後の治療に不安がある方へ
放射線治療の可能性を詳しく知りたい方へ
当サイトでは、保険診療で受ける「抗がん剤治療」と、自由診療で受ける「トモセラピー」や「樹状細胞ワクチン療法」でステージ4のがんを治療する方法について紹介しています。がんの進行度により、医師と相談して検討しましょう。
画像引用元:クリニックC4公式HP
(https://cccc-sc.jp/)
痛み・副作用の少ない放射線療法
放射線治療のトモセラピーに特化したクリニックで、重粒子線、陽子線などの先進医療での治療を断られた方にも、ステージ4で「手立てがない」と言われた方にも、身体に優しいがん治療をお探しの方にも、痛み・副作用の少ない治療を行います。薬剤との併用により、より積極的な治療を行うことも可能です。
| 所在地 | 東京都渋谷区元代々木町33-12 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6407-9407 |
画像引用元:銀座鳳凰クリニック公式HP
(https://www.ginzaphoenix.com/)
患者の細胞からワクチンを作製
免疫細胞を研究している院長のもと、免疫の司令塔である樹状細胞を使ってがん免疫療法を行っているクリニックです。患者様専用のワクチンを作るイメージで、治療の手立てがないと言われた患者様へも提供可能な治療法です。しっかりと寄り添って治療を進めていく姿勢も、治療を選択する要因になっているようです。
| 所在地 | 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDXビル北ウィング6F |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6263-8163 |
画像引用元:がん研有明病院公式HP
(https://www.jfcr.or.jp/hospital/)
新しいがん治療薬の導入に積極的
抗がん剤による薬物療法が進む中、「先端医療開発科」が創設され、新しいがん治療薬での治療をいち早く受けられるよう、早期臨床開発を推進している病院です。幅広い知識と経験を持つ専任医師とスタッフが、それぞれの患者様に合った臨床試験を提案し、これまでの薬では治らなかったがんの治療に取り組んでいます。
| 所在地 | 東京都江東区有明3-8-31 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-3520-0111(大代表) |