ステージ4と告知されたら知っておきたい最新がん治療と医療機関のはなし
癌の治療法のなかでも、放射線療法がどのように進められるのかをまとめています。
放射線治療を受けることになると、どのような流れで治療が進んでいくのでしょうか。一般的な放射線治療の流れを見てみましょう。
1.放射線治療外来で診察を受ける
初めに、放射線治療の担当医が診察します。検査結果をもとに、身体のどの部分に、どのような機械を使って、どの位の放射線を当てていくのかを決めていきます。放射線の照射量は、合計で50~60グレイ程度までの線量をかけます。一回で全量を使うのではなく2グレイで25回かけるなど、一回あたりの線量を少なくして身体への負担をできる限り軽減していきます。
2.固定装具の作成
医療機関によって異なりますが、身体を固定して放射線治療を受けるための装具を作成します。この時に専用のマットレスを作る施設もあります。
3.治療計画を作る
放射線腫瘍医や放射線治療技師などさまざまな専門家が集まり、放射線治療計画を作ります。CTで撮影した写真をもとに、コンピューターをもちいて詳細なシミュレーションがおこなわれます。放射線を照射する詳細な範囲や、方向を決めるためのものです。「CTシミュレータ」などの機器をもちいて綿密な計画が立てられます。また、実際に治療を開始するまでに、なんども検証を実施して安全性を確認することが必要です。
4.放射線の照射開始
治療は月曜日から金曜日まで、基本的に平日は5日間続けておこないます。その後、2日間休み、また月曜日から照射を開始します。あらかじめ決められたスケジュールに合わせ、このサイクルを繰り返すことでがん細胞を攻撃していくのです。
予定されていた回数の照射が終わったら、経過観察の期間となります。定期的に検査のために通院し、がん細胞の状態の確認や体調チェックを続けます。この時期は体調が変わりやすいため、なにか気になることがあればすぐに医師に伝えることが大切です。
※放射線治療を受ける際の注意点※
放射線治療は決められた回数を受けてください。放射線を用いての治療は、最期まで受けることを前提に組まれています。治療を途中でやめてしまうと、効果はほとんど出ないといわれています。体調が良くなっても途中でやめず、1クール受けきることが必要です。
放射線治療を実施する際には、さまざまな医療スタッフがチームを組み情報を提供し合いながら進められていきます。そのメンバーはチームの責任者である放射線治療医、医学物理士(放射線量の計算や測定を担当)、診療放射線技師(放射線治療医のもとで、実際に照射をする)、看護師などです。
放射線治療は通院での照射が可能で、働きながらでも受けることができる副作用も少ない治療法です。しかし回復を早めるためにも、できる限り治療中は無理をせずに体調に気を配るようにしましょう。
放射線をあてた個所はしばらく刺激に弱い状態です。直射日光、刺激物に触れないようにしましょう。
【免責事項】
※このサイトは、2015年11月の調査を基に制作しています。最新の治療方法は各病院・クリニックの公式サイトをご確認いただきますようお願いします。
また、本サイトで掲載している治療法については、自由診療のため保険適用外となり全額自己負担となります。治療を受けるクリニックや症状、治療法によって、治療回数・期間、費用が変動しますので、詳しくは直接クリニックへお問い合わせください。また、治療における副作用やリスクなども治療方法によって異なります。不安な点・不明点については、各病院・クリニックの医師に直接確認・相談したうえで治療を検討することをおすすめします。
◆トモセラピー治療の費用と期間について
トモセラピーとは、がん細胞が集まる病巣を包み込むように放射線を照射できる放射線治療システムです。
トモセラピー治療の費用は保険診療と自由診療の場合で大きくことなります。保険適用の場合は1回の照射につき自己負担額は約1万1000円、保険が適用されない自由診療の場合は約3万3000円と言われています。
病状やクリニックによって費用や期間は変動するため、検討している病院・クリニックがあれば直接お問合わせください。
◆トモセラピー治療のリスクについて
照射する部位によっては、頭痛や下痢などの副作用が生じるケースがあります。不安な方は各病院・クリニックへ相談しましょう。