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子宮がん

早期発見で助かる可能性の高いものの、近年患者数が増えている傾向にある子宮がんについてご紹介します。

※2015年11月時点の情報をもとに作成しています。

目次

子宮がんとは

子宮がんはがんのできている部位によって、「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2種類に分類されます。これらをまとめた総称が「子宮がん」です。

子宮頸がん

子宮頸部にできるがんのことで特に20代~30代の女性に多く見られます。若いうちに発見されるがんは進行が早いものが多いです。子宮頸部の場合は癌細胞の増殖がそれほど早くないため、定期検診を受けていれば早期に発見できる可能性が高いです。

大きな原因は性行為によって感染するヒトパピローマウイルスにあります。しかし、免疫力の低下や私生活の乱れも原因の一つになると言われているため、誰でもリスクのあるがんだといえるでしょう。

子宮体がん

子宮体部にできるがんのことで40歳代後半に発生するがんです。そのため、閉経後はリスクが高まるといえるでしょう。

子宮内膜が過剰に増殖することに原因があります。

子宮がんの検査方法

子宮頸がんの検査では細胞診、エコー検査、CT・MRI検査、拡大鏡を使って粘膜を観察するコルポスコープ診、組織診などが行われます。すべて行われるわけではありません。疑わしいものがあった場合に再検査で行われる精密検査もあります。

子宮体がんの場合は子宮内膜部分から組織を採取し検査を行うのですが、痛みや出血があるのが特徴です。

定期検診を受けているから100%安心か?というとそうではありません。例えば、公費負担で受けられる子宮がん検診の場合、主に子宮頸がんになっていないかを診察しているため、子宮体がんになった場合は発見できない可能性があるのです。

子宮体がんは痛みを伴う検査ということもあり選択制になっているものも多いのですが、万全を期すためにはこちらの検査も行っておきましょう。

子宮がんの病期(ステージ)

子宮頸がん

Ⅰ期…肉眼では確認できないものの組織学的にのみ診断できる浸潤がんがⅠa期、病変が臨床的に確認できるものやⅠa期を超える浸潤が見られるものはⅠb期となります。

Ⅰa期の中でもⅠa1期と呼ばれる段階であれば子宮温存が可能な円錐切除術を選択できる場合も多いです。

Ⅱ期…手術や術後の化学療法を中心に治療を行う段階で子宮頚部以外にがんが広がっているものの骨盤壁もしくは膣壁の下3分の1に達していない状態のことです。

Ⅲ期…Ⅲ期になると手術が難しく、がんが骨盤壁まで達している状態です。

Ⅳ期…小骨盤腔へがんが広がっている、または膀胱・直腸の粘膜に広がりが見られる状態です。

5年生存率はⅠ期が87%、Ⅱ期が75%、Ⅲ期は48%、Ⅳ期は26%となります。

子宮体がん

Ⅰ期…子宮体部のみにがんが留まっている状態です。

Ⅱ期…子宮体部を越えたがんが子宮頸部に広がっている状態です。

Ⅲ期…子宮外に広がってはいるものの骨盤は超えていない状態、または骨盤内・大動脈周囲のリンパ節転移があります。

Ⅳ期…骨盤を超えたがんが膀胱などの別の部位や粘膜に広がる、または他の臓器への遠隔転移がある状態です。

5年生存率はⅠ期が87%、Ⅱ期が76%、Ⅲ期は51%、Ⅳ期は19%となります。

5年生存率を見てもわかるように、できるだけ早い段階でがんを発見し、適切な治療をすることで生存率は高まるので、しっかり定期検査を受けることが重要です。

子宮がんの転移について

子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんがありますが、それぞれの転移の特徴は異なります。どちらも血液やリンパ液にがん細胞が乗って遠隔転移しますが、転移した後は予後不良になることもあるので、原発性子宮がんの治療を終えた方は、再発や転移がないよう定期的に検査を受けることが大切です。

子宮がんが転移しやすい場所

子宮がんのうち、子宮頸がんが転移しやすい場所は、肺や脳、傍大動脈リンパ節、骨など。傍大動脈リンパ節とは、骨盤より上の大動脈周りにあるリンパ節です。

また、子宮体がんが転移しやすい場所は、リンパ節や腹膜、肺、肝臓など。腹膜とは、内蔵の表面を覆っている膜を言います。

どちらも転移ルートは血液、またはリンパ液。子宮がんからがん細胞が入り込んだ血液やリンパ液が移動し、移動先で生着して転移性がんが生じます。

なお、子宮がんの転移は1か所と限らず、複数の箇所で同時に転移が見つかることもあります。

子宮がんが転移した場合の症状

子宮頸がんも子宮体がんも、近くにあるリンパ節へ転移することがありますが、リンパ節へ転移した際の主な症状は、むくみや腫れなど。リンパ節から別のリンパ節へ移動してがんが進行すれば、むくみや腫れは全身へ広がり、発熱や体重減少などの症状が見られることもあります。

肺に転移した場合には咳や息切れ、血痰、息苦しさなど、肝臓へ転移した場合には腹痛や背中の痛み、黄疸、腹水、体重減少など、脳へ転移した場合には認知障害や言語障害、感覚障害などが起こることもあります。転移した部位の特徴に応じ、症状の現れ方も変わると考えて良いでしょう。

なお、どの場所に転移した場合でも、初期段階で症状を自覚することはほとんどありません。症状を自覚した段階では転移が進行している可能性が高いため、原発の子宮がんの治療後は、医師の指示にしたがい定期的な検査を受診しましょう。

子宮がんの治療法

子宮がんは子宮頸がんと子宮体がんに分かれるわけですが、それぞれどのステージにあるのかによって治療法は大きく異なります。

子宮体がんの治療

Ⅰ期・Ⅱ期

外科的治療として手術で子宮全摘出術+両側付属器切除術を行うことになります。これにより卵巣・卵管などを切除し、所属リンパ節切除術などが行われるケースもあるので医師に確認しましょう。

Ⅲ期・Ⅳ期

症状に合わせて最適な治療法を検討していく形となります。Ⅲ期・Ⅳ期でも手術ができる場合は外科治療を行い、難しい場合や抗がん剤の方が効果的と判断された場合には化学療法も行うことになるのです。他、放射線治療も基本的な治療法として行われます。

子宮体がんの場合、治療を行った後にリスク判定があり、そこで中リスクや高リスクだと判断された場合には抗がん剤治療による化学療法、放射線治療、ホルモン療法などによる治療が行われるのが基本です。

参照元:『子宮体がん 受診から診断、治療、経過観察への流れ』国立がん研究センター がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/qa_links/brochure/pdf/143.pdf

子宮頸がんの治療

0期とⅠa期

0期だった場合、円錐切除術を取られるのが一般的です。この段階で浸潤が見られなかった場合はここで治療完了となります。治療後に再発した場合には再度子宮頚部円錐切除術を行うことが多いのですが、場合によっては子宮全摘出術についても検討していかなければなりません。

また、レーザー蒸散術や冷凍凝固療法を行った後の再発にも同じような対応がなされます。

Ⅰa期に入った場合、子宮を残せるかどうかは状態によって変わってくるので、医師の診察をよく聞き、最適な治療法について考えていかなければなりません。条件は定められているものの、症状によっては子宮温存も可能です。

Ⅰa2期に入るとリンパ節郭清を含む準広汎子宮全摘出術以上の手術が推奨されることになるでしょう。そのため、子宮を残すためにはできる限りⅠa期よりも前の段階で早期発見を目指すことが重要になってきます。

Ⅰb期・Ⅱ期

Ⅰb期・Ⅱ期に入ると放射線の治療が行われることになります。広汎子宮全摘出術以上が基本となりますが、医師とよく相談をしましょう。年齢などによっても治療法は異なります。

Ⅲ期・Ⅳa 期

この段階に入ると放射線治療単独では思うような効果が期待できなくなるため、同時化学放射線療法であるCCRTが選択されることになります。ただし、Ⅲ期やⅣa 期に限定したCCRT治療のデータが十分にあるとは言えないため、不明な点などがあれば医師によく確認することが大切です。

参照元:【PDF】『クリニカルレクチャー 2)子宮頸癌治療ガイドライン』近畿大学 井上 芳樹 http://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=to63/60/9/KJ00005041823.pdf
参照元:【PDF】公益社団法人日本放射線腫瘍学会『第07章-放射線治療計画ガイドライン』 https://www.jastro.or.jp/medicalpersonnel/guideline/07gynecologic.pdf

子宮がんの進行スピード

子宮がんと診断された場合、気になるのがどのような進行スピードの病気なのか?ということですよね。

子宮がんは子宮頸がんと子宮体がんといった2つのがんの総称です。どちらも併せて子宮がんと言われることがありますが、進行のスピードは同じではありません。

このうち、特に進行速度が速いと言われているのは子宮頸がんとなっています。というのも、一般的に子宮頸がんでは若い女性に発生することが多いがんということもあり、細胞分裂が活発に行われてしまうのです。

細胞分裂が行われるほどがんが進行するため、結果的に進行速度が速くなります。ウイルス感染によって異形成が起き、自然治癒しなかったものについては3~10年かけて子宮頸がんに発展するのですが、がんができた場所によっては発症から1年以内に末期まで進行する可能性もゼロではありません。

一方で子宮体がんは閉経後の女性に発生しやすいがんということもあり、進行速度はそれほど速くないのが特徴です。不正出血があって慌てて病院に駆け込む方が多いですが、不正出血があったとしても子宮体がんの場合はまだ初期の段階である可能性が高いといえるでしょう。

反対に子宮体がんの場合は不正出血があると症状が進行しているサインといえます。

いずれにしても何となくおかしいな…と感じたらできるだけ早く病院を受診し、早期発見に努めることが重要だといえるでしょう。同じ子宮がんでもどこにできたがんなのかによって進行速度が異なるので、診察を受けたあとは医師の指導をよく聞き、次回の診察はいつ受ければ良いのかしっかりと確認しておいてください。

がんステージ4の治療ができる
医療機関 3院

当サイトでは、保険診療で受ける「抗がん剤治療」と、自由診療で受ける「トモセラピー」や「樹状細胞ワクチン療法」でステージ4のがんを治療する方法について紹介しています。がんの進行度により、医師と相談して検討しましょう。

自由診療|放射線療法
トモセラピー
再発・多発転移がんを治療
クリニックC4
クリニックC4<トモセラピー>

画像引用元:クリニックC4公式HP
(https://cccc-sc.jp/)

痛み・副作用の少ない放射線療法
放射線治療のトモセラピーに特化したクリニックで、重粒子線、陽子線などの先進医療での治療を断られた方にも、ステージ4で「手立てがない」と言われた方にも、身体に優しいがん治療をお探しの方にも、痛み・副作用の少ない治療を行います。薬剤との併用により、より積極的な治療を行うことも可能です。

  • 症例のある対象疾患
前立腺がん 頭頸部がん 肺がん 乳がん 胃がん 小腸がん 肝胆膵がん 大腸がん 直腸がん 泌尿器がん 卵巣がん 子宮がん 肝臓がん 膀胱がん 膵臓がん 膵体部がんなど
所在地 東京都渋谷区元代々木町33-12
電話番号 03-6407-9407
自由診療|免疫療法
樹状細胞
ワクチン療法
体の免疫力に働きかけて治療
銀座鳳凰クリニック
銀座鳳凰クリニック<樹状細胞ワクチン療法>

画像引用元:銀座鳳凰クリニック公式HP
(https://www.ginzaphoenix.com/)

患者の細胞からワクチンを作製
免疫細胞を研究している院長のもと、免疫の司令塔である樹状細胞を使ってがん免疫療法を行っているクリニックです。患者様専用のワクチンを作るイメージで、治療の手立てがないと言われた患者様へも提供可能な治療法です。しっかりと寄り添って治療を進めていく姿勢も、治療を選択する要因になっているようです。

  • 症例のある対象疾患
前立腺がん 頭頸部がん 肺がん 乳がん 胃がん 小腸がん 肝胆膵がん 大腸がん 直腸がん 泌尿器がん 卵巣がん 子宮がん 肝臓がん 膀胱がん 膵臓がん 膵体部がんなど
所在地 東京都千代田区外神田4-14-1
秋葉原UDXビル北ウィング6F
電話番号 03-6263-8163
保険診療|外来化学療法
抗がん剤治療
再発や転移を抑制
がん研有明病院
がん研有明病院

画像引用元:がん研有明病院公式HP
(https://www.jfcr.or.jp/hospital/)

新しいがん治療薬の導入に積極的
抗がん剤による薬物療法が進む中、「先端医療開発科」が創設され、新しいがん治療薬での治療をいち早く受けられるよう、早期臨床開発を推進している病院です。幅広い知識と経験を持つ専任医師とスタッフが、それぞれの患者様に合った臨床試験を提案し、これまでの薬では治らなかったがんの治療に取り組んでいます。

  • 症例のある対象疾患
前立腺がん 頭頸部がん 肺がん 乳がん 胃がん 小腸がん 肝胆膵がん 大腸がん 直腸がん 泌尿器がん 卵巣がん 子宮がん 肝臓がん 膀胱がん 膵臓がん 膵体部がんなど
所在地 東京都江東区有明3-8-31
電話番号 03-3520-0111(大代表)

【選定基準】
「末期がん クリニック」でGoogle検索してヒットした医療機関上位35院中、治療実績と画像付き症例を公式HPに掲載しており、以下の各治療法におけるGoogleの口コミ評価がそれぞれ最も良い3院を抽出しています(2023年5月15日調査時点)。
①放射線療法「トモセラピー」の治療実績と症例・・・クリニックC4
②免疫療法「樹状細胞ワクチン投与」の治療実績と症例・・・銀座鳳凰クリニック
③外来化学療法「抗がん剤治療」の治療実績と症例・・・がん研有明病院

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