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肝臓がん

人間の内臓の中でも最大クラスの大きさを誇る肝臓に起こる、肝臓がんについてまとめています。

肝臓がんとは

肝がんには、肝臓そのものから発症する「原発性肝がん」と、他の臓器からがんが肝臓に転移することで起きる「続発性肝がん」のふたつが存在します。

原発性肝がんには、肝臓の細胞ががんになる「肝細胞がん」や胆汁を十二指腸に流す管ががん化したものなど様々な種類がありますが、日本においては原発性肝がんのうち90%を肝細胞がんが占めます。そのため、一般的に「肝がん」といわれるのは肝細胞がんのことです。

肝臓がん(肝細胞がん)の原因

特に肝臓がんになりやすいのは、B型またはC型の慢性ウイルス性肝炎に感染し、B型では8年以上、C型では20~30年以上経過している場合です。

日本人が肝臓がんになる原因は、7割がC型ウイルス性肝炎、1割がB型ウイルス性肝炎、残りの2割がアルコールなどを原因とする肝硬変(肝炎)となります。

ウイルス性肝炎が慢性化することで肝臓がんとなる理由は、炎症が起きていることで肝細胞が壊死と再生を繰り返すためです。徐々に肝細胞の線維化が進み、肝機能の低下とともに細胞が変化し、がん化します。日本人における肝臓がんの9割は、肝硬変が原因です。C型肝炎をわずらっている人は、そうでない人に比べて、1000倍も肝臓がんになる確率が高いといわれています。

肝臓がん(肝細胞がん)の症状

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、病気になっても症状が出にくい臓器です。そのため肝がん固有の症状は少なく、がんが進行した場合に腹部のしこりや圧迫感、痛みなどを訴える人はいますが、あまり多いケースではありません。他には肝硬変にともなう症状として、食欲減退、身体のだるさや微熱、お腹が張る、黄疸、浮腫(むくみ)、皮下出血などがあります。また肝硬変になると、肝臓に血液を運ぶ門脈の血流が悪くなり、食道・胃静脈瘤をひきおこすこともあります。

検査方法

慢性肝炎や肝硬変になった人の肝臓にがんが発生していないかを調べるには、継続的に検査をおこなわなくてはいけません。この継続して追いかける検査のことを、スクリーニング検査といいます。腹部に小さな機械を当て、超音波を発射して肝臓の状態をモニターに画像として映すことで確認します。

しかし、この検査方法では、肝臓の上部や助骨の影になる部分は見えにくいことがあり、その場合は血液検査を併用し腫瘍マーカー検査もおこなうことが多いようです。

病期(ステージ)・障害度分類

病期とはがんの進行度を表す言葉です。「ステージ」とも呼ばれます。肝がんでは、進行度合いによってI期、II期、III期、IV期(IVA、IVB)に分けられています。

ステージⅠではがん腫瘍がひとつで2cm以下、肝臓内部の表面にのみ存在している状態です。ⅡになるとステージⅠの条件である3つのうち2つが該当する状態、ステージⅢではそのうち1つが該当しているか、リンパ節への転移が見られる状態になります。ステージ4になると、どの項目にも該当しないか、他の臓器やリンパ節に転移が見られる状態です。

治療方法

肝臓がんでは、「エタノール注入療法(PEIT)」「マイクロ派凝固療法(PMCT)」「ラジオ派凝固療法(PMCT)」での治療が一般的とされています。これらは超音波画像を見ながら大きくて長い針を肝臓にできたがんに刺し、がん細胞を凝固させて死滅させるという方法です

腫瘍の数が2個までで、サイズが小さいものであれば手術をおこなうこともできます。しかし、日本肝癌研究会の報告によると、肝臓がん全症例のうちで手術ができたのは29.2%だったそうです。これは3人に1人しか、手術がおこなえないということになります。

また、肝臓がんの場合はがんが一度なくなっても肝硬変やウイルス性肝炎は残ったままであるため、再発の危険性がとても高く、術後5年までの再発率は70%にも及ぶのです。

進行した場合の治療方法

腫瘍の数が多い場合や、進行度合いが進んでいる場合には「動脈塞栓術」という方法がよく取られます。がんにつながっている血管に抗がん剤を染みこませた栓をして、栄養を届かないようにするのです。

治療が成功すると、腫瘍が劇的に小さくなります。しかし栓をする血管の見立てが難しく、現時点では効果が現れないケースも多い治療法です。近親者に肝臓の提供者がいれば、肝臓移植もひとつの選択肢になります。

これまでは、放射線治療はがん細胞に効果を持つものの正常な肝組織をも壊してしまうため、あまりおこなわれてきませんでした。しかし最近では、トモセラピーや陽子線治療、重粒子治療など放射線をあてる範囲を絞りめる最新の治療が出てきたため、これらは肝がんの治療に有効であると考えられています。

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